この作品の準主役として、川路利良は登場します。
それまで警察関係者以外にはあまり知られることのなかった川路が、一般に知られるようになったのは、この作品と司馬遼太郎先生の「翔ぶが如く」によるところが大きいと思います。
山田先生は「警視庁草紙」の他にも、「明治断頭台」と「巴里に雪のふるごとく」で川路を準主役として描いています。
「警視庁草紙」はNHKにより「山田風太郎 からくり事件帖 警視庁草紙より」というタイトルでテレビドラマ化もされました。
放送を見逃してしまった私は、有料衛星多チャンネル放送「スカパー!」で再放送が行われることを知ると、この番組のためだけに「スカパー!」に加入しました。
川路利良役は近藤正臣さんで、元南町奉行のご隠居と対峙する冷徹強靭な警視庁初代長官を好演しています。
その「警視庁草紙」の著者である山田風太郎先生の掃苔のため、東京都八王子市上川町の上川霊園を訪れました。
八王子駅から西東京バス上川霊園行きに乗り、40分ほどで終点の上川霊園に着きます。
1区1番34号にある山田先生の墓には「風ノ墓 山田家」と彫られ、墓誌には「風々院風々風々居士」と彫られていました。
なお山田先生の家には、ご先祖が仙石騒動に関わったという話が伝わっているそうです 。
仙石騒動を調べてみると、山田八左衛門という人物が中追放という裁決を受けていました。
この人物が山田先生のご先祖なのでしょうか。
仙石騒動の調査は私のライフワークの一つなので、いつか別の面から山田先生のことを調べることになるかもしれません。
おわり
※写真は上川霊園にある山田風太郎先生の墓誌