「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        合唱の優勝と町の調和

2007-10-09 05:00:25 | Weblog
隣町の大岡山小学校(東京)が今年もNHKの全国音楽コンクール小学校の
部で金賞を獲得した。5年連続5回目の優勝である。大変な快挙だ。おめでと
う。大岡山小学校は1学年3クラス、全校生徒600人ほどの東京では平均規
模の学校である。学区のほとんどが住宅地だが、商店街もある。校門の前
には環状7号の国道も走っていて静かな環境ではない。

20年ほど前、僕はこの学校の近くに5年住んだ。正直いって環7が近く、学校
のチャイムの音、休み時間には子供達のはしゃぎ声も聞こえてきてうるさか
った。だけど、なんとなくこの街に魅かれるものがあって、今でも月に1回、自
転車に乗って床屋へやってくる。

大岡山は関東大震災で蔵前にあった東京高等工学校(現・東京工業大学)が
この地に移転してから街つくりが始まった。丘陵部には住宅地が造成され、皇 
太子妃、雅子さんの実家もかっては、この学区内であった。空襲で町の一部が
焼け、学校も講堂に焼夷弾が落ちて焼失したが、ほとんどが助かった。そのお
陰で、街はすでに80年の歴史で熟成しいる。商店街もわが駅前に比べれば、
安いし、何より嬉しいのは店主との”対話”があることだ。

孫の通う学校は大岡山小よりさらに伝統校だが、人気がない。理由は一部の
母親から”商店の子供が多い”と信じがたい理由によるものだという。街は
調和があってこそ発展するものだ。大岡山小の子供達のきれいなハーモニー
を聞いてつくづくそう思った。