「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       亀田三兄弟と ピストン堀口三兄弟  

2007-10-17 05:18:14 | Weblog
WBC(世界ボクシング評議会)の先日のフライ級タイトルマッチは、見るに耐
えなかったようだ。わが家は亀田一家の暴言、試合マナーが大嫌いだから、
最初からTBSにチャンネルを回さなかった。案の定、試合は大毅選手(次男)
が反則の限りをつくし、JBC(日本ボクシング・コミッション)から一年間の出場
停止処分、セカンドをつとめた史郎(父親)も無期限の資格停止処分を受けた。
当然の処分だ。

亀田一家(興毅、大毅、和毅三兄弟と父親史朗)の試合は、以前からダーティ
で、問題視されていたが、ボクシング界の低迷の中、JBCはこれを大目に見て、
また放送権を持つTBSは、視聴率至上主義からか、一家をタレントのように仕
立てきた。

日本のボクシングは、どちらかといえばクリーンなイメージがあった。オールド
ファンなら三兄弟といえば、戦中から終戦直後にかけて活躍したピストン堀口
三兄弟を想い出す。長兄の恒男は、元東洋フェザー級チャンピオンで、ピストン
のように繰り出すパンチから”ピストン”の異名を持ち、戦歴は176戦138勝(82
KO)24敗14分。この最多試合、最多勝、最多KOの日本記録は今でも破られて
いない。次男の基冶は無冠だったが、三男の宏も元日本フェザー級チャンピオ
ンの人気選手だった。

彼ら三兄弟の活躍した時代は戦争を挟んだ時代だったため、世界の王座に挑
戦できなかったが、実力は世界チャンピオン級、人気も抜群だった。それに彼ら
は試合を通じて社会奉仕もしていた。昭和21年2月、ピストン堀口は日比谷公会
堂での自分の引退試合の純益を戦災復興資金として東京都に寄付している。次
男の基冶は僕の中学の先輩だが、彼も焼失した母校で特別試合を行い、売上金
を全部母校に寄付している。

時代が違うといえばそれまでだが、三兄弟でも随分違うものだ。