ビター☆チョコ

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モンスーン・ウェディング(DVD観賞)

2008-07-12 | 洋画【ま】行

インド、デリー。バルマ家の家長ラリット(ナジル・ラディン)は苛立っている。
可愛い一人娘のアディティ(ヴァソンダ・タス)の結婚式が迫っているのに、準備がなかなか進まないのだ。
口先ばかりで仕事を進めないウエディングプランナーのデュベイ(ヴィジャイ・ラーズ)にハッパをかけながら、ひとりイライラする日々だ。
ラリットのイライラなど関係なく、世界各地に散らばったバルマ家の親戚達が結婚式のために集まってきた。
お祝いムードが盛り上がるなか、当の花嫁は浮かない顔だった。
実は。。アディティが親の薦める相手とあっさり結婚することにしたのは、長く続いた不毛の恋に決着をつけるつもりだったからなのだ。

レンタルビデオやさんをウロウロしてると
なんの予備知識もないのに、なぜか
心惹かれるものに出会うことがある。
この「モンスーン・ウェディング」も、そんなひとつだった。
なんたって、題名が素敵じゃない?

う~ん、しかしなぁ。。インド映画ってどうよ。。
踊って踊って無駄に踊りまくる。。みたいな(爆)イメージがあって、
なかなか借りるところまではいかなかったものなのだ。
でも、よくよく見てみると、ミーラー・ナイール監督作品だ。
少し前に、この監督の「その名にちなんで」を観て、それがすごく良かったので
やっと、と言うか、ついに借りる勇気?がでてきたのだった。

物語は
三日三晩、盛大な宴が続くというインドの富裕層の結婚式で繰り広げられる

まるで結婚式という名の熱帯低気圧に巻き込まれるように集まってきた
バルマ家ゆかりの人々。
世界のあちこちに散らばっていても
ひとたび集まれば、その結束は固く、一族の間にはなにも隠し事などないように見える。

しかし、パルマ家の家長のラリットは、裏では結婚式の資金繰りに苦労してるし
花嫁は不倫相手に会うために、夜中、こっそり家を抜け出す始末だ。
花嫁の従姉妹のリアにもなにか秘密があるらしい。
熱帯低気圧は、かなり大きな波乱を呼びそうな気配なのだ。

不倫の恋、別れ、そして新しい恋。
一目惚れの恋。
一途に思い続ける恋。

親子の気持ちの行き違いもある。
守っているつもりで、守りきれずにいたこともある。
幼い頃受けた傷を、ずっと引きずったままの娘もいる。

集まった人々の、様々な想いが
マリーゴールドの黄色や、ゴージャスな赤や白の衣装に彩られながら描かれていく。

不倫の恋は暴風雨と共に消え去り
暴風雨は、ずっと隠されてきた秘密も暴き出す。
そして、結婚式のクライマックスに降る激しい雨は
そんないろいろなものを洗い流して、すべて許してるような優しい雨だった。

雨の中で踊り、歌う結婚式。
三日三晩を共に過ごす儀式は、一族の結束を強め、夫婦の絆を確かめ、
それぞれの生き方を改めて問うために必要なものなのかもしれない。

とっても幸せなエンディングだった。
一緒に優しい雨に打たれてるような清々しさがあった。