1962年、アメリカ、デトロイト。スターを目指す3人の少女がいた。
3人の少女はドリーメッツと名乗り、
抜群の歌唱力をもつエフイー(ジェニファー・ハドソン)を
リードボーカルとしてアマチュアコンテストに出場し続けていた。
3人の歌に会場はいつも盛り上がるのだか、どうしても優勝できない。
スターになるためには才能だけでなく、チャンスが必要なのだ。
そんな時、突然チャンスが訪れた。
3人の前に現れたのは中古車販売業をしているカーティス(ジェイミー・フォックス)という男だ。
カーティスは音楽業界に進出しようと機会をうかがっていたのだ。
地元の大スター、ジミー・アーリー(エディ・マーフィー)がコーラスガールを探していることを知って
無名だが実力のあるドリーメッツに声をかけたのだ。
コーラスガールよりも自分たちがスターになりたいエフィーは、その話を断るのだが
ディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)とローレル(アニカ・ノニ・ローズ)が必死で説き伏せる。
こうして3人の夢は実現に向けて走り出した。
白人が支配しているこの時代に
黒人がのし上がっていくのは並大抵のことではなかったのだろう。
弱肉強食のショウビズの世界で必要なのは、才能だけではない。
時代を読む鋭い勘、策略、お金。
時には仲間を切り捨てていく冷酷さも必要なのだ。
挫折と孤独に耐えながら、彼女達は自分の夢を掴み取ろうとする。
そのエネルギーが全て歌となって溢れ出る。
その歌が素晴らしい。
素晴らしいとしか表現できないのがもどかしいのだが
何度も鳥肌がたった。
太ももの辺りから背中を通ってサーッと頭に向けて走るあの感覚。
生で聴いたら倒れてしまうんじゃないかと思った。
あの歌の素晴らしさは到底説明なんか出来ないし、しようとも思わない。
絶対に映画館の大きなスクリーンで大音響で確かめてきて欲しいと思う。
華やかなショウビズの世界の光と影。
こういうのはやっぱりアメリカじゃなきゃ。。と再確認させられた映画だった。