ビター☆チョコ

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江戸仕草

2006-07-19 | 日々のこと

見事に傘マークの並ぶ天気予報。
土砂災害も起きているのに、こんなのんきなことを言ってるのは申し訳ないのだけど、洗濯物が乾かないのと徒歩通勤にはまいってしまう。
一応雨の日仕様の靴も持ってるのだけど、ジンワリと雨が沁みてくる。
職場に着いたら白衣に着替えるのをいいことにビーサン通勤にした。
足元がビーサンだから、ビーサンに合わせた服ときたら悲惨だ。
うらびれた海水浴場の海の家のおばさんみたい。
長雨は私から完全に「女」を奪ってるな。。。と思う。

通勤の途中の道は交通量が多いのに歩道がない。
車も自転車も歩行者も入り乱れて通る。
おまけに途中、どういうつもりかガードレールで車道と仕切ってるところがあって、
人がすれ違う時はお互いに体を斜めにしなければすれ違うことが出来ない場所がある。
晴れの日はまだいい。
雨の日ときたら最悪だ。
傘がぶつからないように傘を高く上げたり、斜めにしたりしてくれる人がめったにいない。
若い女の子や男の子だと私よりも背の高い子が多いから、その子達に傘があたらないようにするのは大変なんだよね。

江戸仕草というのだそうだ。
傘傾げ・肩引き・腰浮かし。
傘傾げは、狭い道を通る時相手に傘があたらないように傾げること。
肩引きは、ちょっと体を斜めにしてぶつからないように気を配ること。
腰浮かしは、席が混んできたら、ちょっと詰めて席を空けてあげること。
過密都市だった江戸で、快適に暮らすための知恵だったそうだ。
江戸の人たちは必要と思われるものの7割ぐらいしか物を持たず、
後の3割のものはお互いに貸し借りして暮らしていたという。
「人の力を借りる暮らし」があたり前だったからこそ、人様に不快な思いをさせまいとする気遣いの仕草も生まれたのだろう。

「人の力を借りる」どころか、なるべくかかわらないようにする生活に変わってしまったけど、
こんな小さな仕草ひとつで、日々の暮らしはずいぶんと滑らかに回っていくものになるのだろうけど。