安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

スー・レイニー IN GOOD COMPANY

2016-02-10 21:31:35 | ヴォーカル(S~Z他)

昼食は、職場と同じビルに入っている食堂でとることが多いのですが、魚を食べたい時など市街地の食堂に出かけて行きます。先日も「耳より」という小さな食堂兼居酒屋で、ブリの焼き魚定食を食べてきました。和食の焼き魚を出してくれるところは、長野市内ではそれほどないので貴重なお店です。耳を澄ませて聴きたい歌が詰まっているアルバム。

SUE RANEY (スー・レイニー)
IN GOOD COMPANY (Discovery 1990年録音)

   

スー・レイニー(1940年生まれ)は、キャピトルのアルバム(雨のスー、お風呂のスー)で知られていますが、60年代~70年代はジャズヴォーカルに厳しい時代だったため、録音が途切れていました。1980年代になり、ディスカヴァリー・レーベルのアルバート・マークスが彼女の歌に関心を示して、同レーベルに6枚のアルバムを吹き込んでいます。これはその一枚ですが、大型コンボによる伴奏で、これぞジャズ・ヴォーカルといった歌を聴くことができます。

メンバーは、スー・レイニー(vo)、アラン・ブロードベント(p,編曲)、コンテ・カンドリ(tp)、ビル・ワトラス(tb)、ボブ・クーパー(ts)、アンディ・シンプキンス(b)、ジェイク・ハナ(ds)。曲により、ディック・ナッシュ(tb)、ジョン・グレイン(ds)が加わっています。ブロードベントがバンド・リーダーとなっていて、編曲も彼の手になるものです。往年のウェストコースト・ジャズの名手が参加していて、1990年における彼らの演奏も楽しみです。

曲はスタンダードです。「After You've Gone」(君去りしのち)、「Mood Indigo」、「These Foolish Things」(思い出のたね)、「Love Walked In」、「Poor Butterfly」、「I'm Gettin' Sentimental Over You」(センチになって)、「How Deep is The Ocean」(愛は海よりも)、「Indian Summer」、「Every Time We Say Goodbye」(いつもさよならを)、「My Foolish Heart」(愚かなり我が心)、「'Tis Autumn」、「The Man I Love」、「Indiana~Donna Lee」の全13曲。ずらっと有名曲が並んでいて壮観です。加えて「Indiana~Donna Lee」も面白そうです。

快唱、快演のジャジーなヴォーカルアルバム。スー・レイニーが早いテンポで軽やかに歌う「After You've Gone」や「Indiana~Donna Lee」は爽快。バラード系の「These Foolish Things」や「My Foolish Heart」ではかみしめるように丁寧に歌っています。伴奏の方も「My Foolish Heart」や「'Tis Autumn」におけるアラン・ブロードベント(p)の詩情豊かな演奏やカンドリ(tp)、ワトラス(tb)、クーパー(ts)が活躍する「The Man I Love」や「Indiana~Donna Lee」など楽しめます。

【耳より】

住所:長野県長野市北石堂町1196  
電話:026-223-9377