安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

マイク・ノック IN OUT AND AROUND

2016-02-17 21:50:09 | ピアノ

日は少しずつ長くなってきて午後5時くらいでも明るさが感じられるようになりましたが、先週は寒さの厳しい日があり、雪も降って長野市ではまだ春は先の感じです。2月9日(火)は、空気が冷え冷えとして、街路樹の枝には雪がくっついて花が咲いたように見える真冬の朝になりました。クールな感じのするアルバムです。

MIKE NOCK (マイク・ノック)
IN OUT AND AROUND (TIMELESS 1978年録音)

   

マイク・ノック(p,1940年生まれ)は、ニュージーランド出身ですが、バークリー音楽院に学びアメリカで演奏活動を行ったのち、1986年からはオーストラリアに住んでいます。僕が知ったのは、クラシックレーベルのNAXOSがジャズの録音を行った際のプロデューサーとして起用され、同レーベルでリーダー作も作ったからです。また、ハクエイ・キム(p)が師事した先生として昨今その名前を聞きます。ノックには、多くの録音がありますが、これはマイケル・ブレッカーが参加して注目されたアルバムです。

メンバーは、マイク・ノック(p)、マイケル・ブレッカー(ts)、ジョージ・ムラーツ(b)、アル・フォスター(ds)。1978年というと、マイケルは兄のランディと組んだブレッカー・ブラザーズで活躍した時に当たるので、こういうフォービート主体のものを残したのは異例なことでした。かつて僕は横浜で行われた東芝オーレックスジャズフェスティバルで、ジョー・ヘンダーソン(ts)らと並んでステージに立ったマイケル・ブレッカーを聴きましたが、ブレッカーの演奏が群を抜いていたのに衝撃を受けたことを今でも覚えています。

曲は、マイク・ノックのオリジナル6曲です。「Break Time」、「Dark Light」、「Shadows of Forgotten Love」、「The Gift」、「Hadrians Wall」、「In Out and Around」。曲想はポストハードバップといった感じの新しめのもので、テンポが変化するなど刺激的なところもあります。「The Gift」は、バラードでアップテンポばかりでなくマイケルやノックのスローな演奏が楽しめます。

スリルに富んだ新しめのプレイが詰まっています。さすがに年齢のせいもあってか、いつも聴きたいわけではありませんが、余裕のある日曜日などにたまに聴くとかなり面白く、いいアルバムです。「Break Time」は、タイトルどおりテンポや音の響きが変化しますが、ブレッカー(ts)のとるソロがとりわけ新鮮です。「The Gift」では、ブレッカーやノック(p)のソロに乾いた抒情が漂っていて、彼らの懐の深さがわかります。アップテンポの「In Out and Around」も、4人のコラボやそれぞれのソロにくぎ付けになる演奏。また、全体にムラーツ(b)の地鳴りのするようなベースが効いています。

【2月9日朝の長野市内の樹木】

   

歩道には消雪用のパイプが埋めてあるので雪は溶けています。