海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

資料:「平成24年度使用中学校教科用図書八重山採択地区協議会会議録」 1

2011-10-14 17:17:21 | 教育・教科書

 「平成24年度使用中学校教科用図書八重山採択地区協議会会議録」という文書が手元にある。A4判28ページの文書で、8月23日に行われた八重山採択地区協議会の様子をテープ起こししたものである。録音状態の関係からか一部に欠落部分もあるようだが、玉津会長をはじめ各委員の発言の大半が記録されている。すでに県内マスメディアで一部が報じられていて、関心を持っている人も多いと思うので、以下に紹介したい。
 明らかな誤字、脱字、変換ミスは直し、段落のはじめは一字下げで統一したが、それ以外は、用語の不統一や曖昧さも含めてそのままにしてある。
 本来なら同協議会の会議録(議事録)は、とっくに市民に公開されているべきものだ。採択された教科書を使う生徒、教師をはじめ、保護者、住民には、ことが決する前に協議会の内容を知る権利がある。協議会委員も各教科書をきちんと読み、議論を尽くし、責任を持って選んだのなら、公開してもなんの支障もないはずだ。
 八重山地区での教科書採択問題を考える参考資料として活用していただければと思う。


平成24年度使用中学校教科用図書八重山採択地区協議会会議録
日時:平成23年8月23日午後3時~6時30分
場所:教育委員会2階ホール

(事務局:崎山) 平成24年度使用中学校教科用図書八重山採択地区協議会を開会します。
 開会前に資料の確認をします。
 1.調査員の調査研究報告書
 2.別紙様式1(推薦したい教科用図書など記載)
 3.評価シートがクリアファイルに9教科15種目のものが入っております。
 4.ボールペンと鉛筆です。また、評価シート提出用にはボールペンでの記入をお願いします。鉛筆等での追記ができないようにお願いします。
 今日のレジュメ4番目の括弧1のまる1で、会長が進行するので2番目の別紙1の概要から状況などを事前に渡されてありますので、皆さんは読んできたと思います。調査員が提出した特色ある教科書や推薦したい図書などを書いたものがあります。
 ②から入って、意見交換をして1教科1種目を選定し、それを発表という流れで、括弧2の、国語から始まり、最後は15種目の最後の英語まで、一つずつ結果を出すというふうにしたいと思います。もし同数となった場合には規約7条の3項に、会議の議事は、出席委員の多数決で決するとするとあります。協議会ですので、協議を重ねていきたいと思います。よろしくお願いします。協議のあと投票の部分で評価シートの書き方ですが、まる、二重丸、それからまるだけで書くと上の部分は評価の部分になりますので、最終的に一番下へ選定したい教科書1社のみを書いて貰う。自分の入れる教科書を1社だけ記入してもらう。評価の部分へはできればコメントを書いてもらう。上の部分もマルとして置いておくと○なのか△なのか分かりにくくなる。○のところに1点、◎のところに2点を書いておけば集計するときに、自分の参考資料としてもやりやすくなりますので、よろしくお願いします。
(委員)点数にしたらどうですか。
(玉津会長) 点数でも、◎するとか○でもよいのでは。
(事務局:崎山) これまでは、正式な文書が来ているが、今度も来るものと思っていたが、来ていない。ボールペンで書いてほしい。一番大事なのは下の欄へ選定したい図書へ○をするということです。
(委員) 二重丸となることも、まるになるということも考えられる。あとから面倒くさくむつかしくなるのではないか。後で、誤解のもとになるのでは・・・。
(玉津会長) 事務局を信用してもらって・・・・。
(慶田盛副会長) 数字を入れれば良いのではないか。二重丸の方が良い。
(玉津会長) ◎とか○を入れている方もいるので、上から数字を入れてください。
(委員) 今から書くので、そこで決めたらどうか。
(慶田盛副会長) わかりやすくするには数字を入れる。合計点を出せば良い。
(事務局:崎山) ひとつには○1点、二重丸は2点とつけることになります。
(委員) 最後の合計のところで良いのではないか。点数のところで6なら6、5なら5と数字を書いたところを見て、○があっても関係なく数字を書けば良い。
(崎原副会長) 各社の概要のところの各社のコメントへ全部入れないといけないのですか。
(玉津会長) いや、自分の選んだ教科書の箇所へしっかり入れてもらえば良い。
(崎原副会長) 選定した教科書に対してのコメントを入れれば良いですね。
(事務局:崎山) 選定結果が決まった時に、その部分を参考にして選びましたということの一つの資料として選定理由と文書を残しておくということです。
(崎原副会長) 私はこれを選んだということにならないのか。
(委員) 合計の下の欄へ選定したい教科書を選ぶ。最終決定なんです。
(玉津会長) 合計をちゃんと入れれば良いのでは。
(委員) ○でも、二重丸でも良いということですね。
(委員) その後に1社を選ぶときに○をつける。
(事務局:崎山) 選定したい教科書を一つだけ必ず選ぶということと、できるかぎりコメントは1行でも2行でも良いので書いてもらいたい。書き終わりましたら裏返しにしておいてください。それを職員が回収した後、私のほうで何票、何票と皆さんの見ている前で発表していく。こういう流れでよろしいですか。
(委員) 評価を記入する前に話し合いを必要としますか。
(事務局:崎山) そうです。4番目の、会長が議事を進めていく時に、4番目の括弧1の②、③のところで意見交換、協議とあります。どこで閉めるかは会長のほうで判断してもらいたい。そこで投票しましたら回収したいと思います。よろしくお願いします。
 日程に入りたいと思います。
 開会のあいさつを慶田盛副会長へお願いします。
(慶田盛副会長) こんにちは、私たちは、教科書採択という大きなことを担っている。21世紀を担う子ども達にすばらしい教科書を採択しましょう。
(事務局:崎山) それでは会長挨拶をお願いします。
(玉津会長) 皆さんこんにちは。24年度に使用する中学用教科書の選定にあたってようやく開くことができ心からうれしく思っています。事務局のほうではずいぶん前から作業を進めてまいりましたが、皆さんには、6月27日の総会から始まってほぼ2カ月を経てようやく開催になりましたが、あっという間に過ぎてしまいました。本来なら静かな環境で調査研究がなされそして教科書を選定すべきでありますが、会長の不手際のもとでこのようなことになったことに対して、この場をかりてお詫びを申し上げたいと思います。県教委区委員会からの口頭での指導や文書での要請などもございましたが、こういう中で時間をかけて教科書を選ぶという、ピンチをチャンスに切り替えながら、これはまた良いことではなかったかと思います。
 こういう機会を通して、八重山の多くの市民、町民の方々、沖縄県を巻き込んだ形で、教科書をどういうふうにして選んでいくべきかを、皆で考えることができたのではないかと思います。
 そこで私は、今回の教科書の選定や採択の改革について、昨日記者会見をしたので、資料をもとに話したい。
 1枚目は昨年の調査員の報告書であります。この中で採択調査員というものがありまして、採択教科書、採択理由と調査員があたかも採択をしている。調査員の権限があるようなものがありますので、教科書採択の改革は、拘束性を持った順位付けということから始まったわけです。協議会委員の8名の皆さんには、質の高い協議のできる立派な教科書を選んでいただきたいと思います。心から感謝をいたしたいと思います。
 そのようなことがいつから行われたかということを調べました。3頁をご覧ください。
 平成17年7月に調査員からの報告がありました。これから見ましても、調査員・教員が3名の教師が教科書を決めることが読み取れる。4ページをご覧頂きたい。この資料は、先週の19日、金曜日に私と部長の2人で倉庫に入っている中から出してきた資料ですが、平成17年3月4日付けで、県の義務教育課長から教科書採択の通知文が出ています。この通知文は、今なお生きている通知文でありますので、これまでやってきたこと、今やっていること、これからやるべきことの通知でありますから、今なお生きている通知文であります。
 これを読み上げたいと思います。
 みだしのことについて、平成14年7月31日教科書採択の改善について(まとめ)等を参考に下記のとおり留意して頂きますよう通知します。
1 地区採択協議会における調査会等で、いわゆる「1種絞り込み」を是正すること。(全発行社の教科書について報告書を作成し、その中で数社を順位付けする)
2 採択地区協議会の結果について、市町村教育委員会議においても審議を行うこと。
3 市町村教育委員会で、採択結果について異議等が出た場合は、採択地区協議会において再協議すること。
4 保護者や一般の方々の意見等を反映させること。(展示会におけるアンケートを開示する等)
5 情報開示に備えるため、地区採択協議会や教育委員会儀の議事録を作成すること。
6 採択地区協議会の調査員会は、県の選定資料を待たずに開始が可能であること。
 この通知文につきましては、サンケイ新聞が昨日、県の狩俣課長に問い合わせたところ、この通知文の存在については知らなかったと正直に話しております。そして協議会でやるような1種絞り込みはやってはならないとはっきり明言しています。ということは、私たちのやっている協議会の改革は正当性を持ったものだと私は思っておりますので、皆さんものこのように理解して頂きたい。
 県のほうは、校長と指導主事3名等を入れるようにという要請であったが、これは、さる会議で否決されましたので、今日の会議も8名でしっかりと中味のある審議をお願いしたい。調査員の専門性につきましては、数項目にかかる、教科書の複数推薦制という形で実施をしましたので、皆さんのお手元に届いた資料をもとに、大いに皆さんの判断で活用して貰いたいと思います。
 まわりがちょっとうるさいですが、今日の協議会へは、さすがに元教育長も、元校長、退職教員も関心を持っておりますが、私たちはそういう動きとは関わりなく、八重山の子ども達にすばらしい教科書はどれなのかということをお互いに意見を交わしながら決めて頂きたい。なお、協議会で審議をして決まった教科書については、教科書供給の無償措置法では協議会で1種に決めるとありますので、無償措置法の趣旨でありますので、私たち協議会で決まりました教科書を戻りまして教育委員会で審議をなす際には協議会の決定に近づけるよう合うように決めて頂きますようにして貰いたい。
 先ほどの通知にありますように再協議をして、協議会で決めなさいという要請もありますが、重々ご理解いただきたいと思います。
 そういうことで私のあいさつにいたします。今日は時間をたっぷりかけて、教科書を決めて頂きたい。
(慶田盛副会長) 今の資料の件で、この資料を出したという理由は何ですか。
(玉津会長) 今、申し上げましたように通知文に違反している形での調査員の報告が平成17年から現在までなされている。この通知文をどうしても見せたいことと、一つの証明になると思ったからです。
(慶田盛副会長) 違反とはなんですか。
(玉津会長) 1種にしぼりこむことです。
(慶田盛副会長) 17年度は1種の絞り込みではない。17年度のものに全教科の資料はあります。
(玉津会長) 資料は全部そろっていますか。
(慶田盛副会長) 私のところに、17年度の資料はちゃんとあります。
(玉津会長) コピーを頂きたい。
(委員) 私も1種絞り込みということは、会長の勘違いだと思います。各協会の下のほうに、その中で数社に順位づけをして調査票を出している。会長がおっしゃるように、1社だけではなく数社全部調査をして順位を付けて提出しました。実際にやった調査員からも確認を私は取ってきました。数社全部調査をして順位を付けたことは、1種の絞り込みは当たらないと思います。
(玉津会長) そのことは私も聞いております。これについては別のところで議論を深めていきたい。
(慶田盛副会長) いや、これは大事なことです。大事な話しです。
(玉津会長) 調査員が複数順位付けをしてきたということは、私も掌握しています。ただ協議会に提出する際に、その仕方に1種絞り込みというスタイルが残っている。
(慶田盛副会長) 17年度のものにもあります。括弧書きではっきりと順位付けをしていいと書いてあります。もう一つ、他地区でやっていることは県のものに相反するのか。じゃーいいんじゃないですか。
(玉津会長) 後ほど事務局も含めて話し合いをしたい。
(慶田盛副会長) 教育委員会にも、ちゃんと残っている。これでは話にならないのではないか。こんな大事なものを・・・・。
(委員) これは会長の思い過ごしだと思います。
(委員) 会長が出されたものは、こういう文書があったという確認の意味だと私は思います。3社あって1社をつけることは1社に絞り込むことになるのではないか。それが絞り込みではないかということです。1,2,3社と載せることはいいけれども、1社に指名したことは1位に絞ったということではないですか。順位付けの一番は絞り込みではないかと思います。1社に絞り込んだことにはならないですか。
(委員) 順位を付けなければいけませんので、委員が良いと思ったものに1位は付けませんよね。すべてに順位付けすること自体がおかしいのではないか。県がそれをしなさいということで出されている。
(玉津会長) 1社絞り込みを含めて、3位までの順位付けも含めて、今、国のほうが、県のこういうふうな選び方について、教科書の選び方については国が指導をする状況にありますので、県でやっているから良いのではないかということで、ここで終わりにしたいと思います。そうしないと審議が始まりませんので。
(慶田盛副会長) これは大事な話しですよ。八重山だけですよね、順位を付けないのは。
(玉津会長) 1社絞り込みは、八重山だけですね。1社絞り込みをやっているのでそれではダメですよということは、県が言っている。
(慶田盛副会長) 1位絞り込みではなく、この順位付けはいいのでは・・・。
(玉津会長) 順位付けについてはノーコメントとします。私たちは、絞り込みはやめましょうということですから・・・・。
(委員) 3ページの文章を見ると、採択調査の中で、1位になったものを明記していますね。順位付けで、1,2,3・・6と順位付けしたけれども、みだしに採択教科として1冊だけ1位の名前だけ書いてある。だからこれが、資料では順位付けはされているけれど、報告は文章として、採択教科書として、ここで1位のものだけ名前を書いて1冊だけ書いてある。それが絞り込みでは無いか。
(委員) 順位付けということは、1位を指名することになり、1位に絞り込んだということにはならないですか。
(委員) 内原英忠殿という文章がなければ順位付けだけど・・・。
(崎原副会長) 報告書は協議会委員の参考にするためのものであるが、今までの協議会は調査員の1位のものを協議会へ1番を報告している。公印が押されたもの、17年度の小学校のものはそうである。それは調査員の資料であって、協議会に上がってきたものは確認できない。公印を押されていないので、私の処にはない。昨年の経験からいうと、協議会で審議をしたことは一度もありません。これでよろしいですかと承認をして終わっている。
(委員) 今、竹富町の教育長からもらっている資料では、確かに順位付けがされていますよね。ところが、3ページで採択について、18年度の教科書採択といって1種だけ教科書の名前を絞って、1番のものを出しているからちょっと矛盾しているのではと私は思います。ここに採択教科書として一番の教科書として名前を書いてあるから、これで絞られていることになっているのではないのかということです。
(慶田盛副会長) それを聞いたものを、協議会の中でやるのは、あれを見て審議をするのが大事である。


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