一昨年の暮れ辺りに発表された発掘音源CD。
パーソネルは、
Freddie Hubbard (tp,flh)、Bob Sheppard (ts,fl)、Hilton Ruiz (p)、Herbie Lewis (b)、Carl Allen (ds)
録音は1983年3月、ロンドンのクラブ「Roundhouse」。
このハバードを一言でいい表せば「スーパー・カー」でしょう。神業的テクニックを駆使して疾走するスリリングでスケールの大きな世界はスタンダード・カーとは別次元。
心・技・体、三位一体となった熱演は彼の全キャリアの中でも屈指のレベルです。もっとも、「スーパー・カー」に興味がなく四畳半的ジャズを好むファンには ・・・・・・・
収録曲もお馴染みものばかりですが、メンバーがガラッと新しくなった分、受ける印象も異なり新鮮に聴けます。この後、名を上げていくC・アレンの若さ溢れるドラミングもGooですよ。ハバード学校の卒業生は結構、多いですね。
ハバードを「テクニックだけの人」と蔑むコメントを時々、見たり聞いたりするけれど、それで何十年も生き延びれるほどジャズ界は甘くない。マイルスが言った、と保険を掛けているけれど、本当にそう言ったのか、甚だ疑問です。同じトランペッターなら力量は解るはず。裏を返せば「ジェラシー、コンプレックス」を感じていると告白しているのも同然で、マイルスはそんな度量の狭さをあからさまに口にするタイプではない。恐らく、ある特定の立場にいるマイルス信奉者がある目的をもって一部を切取り、拡大解釈、もしくは曲解して拡散させたのでは? マイルスにしてみれば迷惑な話だが、拡散者は「忖度」の一字だったのだろう。
3曲目”Littel Sunflower”からの後半が好きです。中でも、C・ウォルトンの名作”Bolivia”は最高、リズミカルながらシャープに攻め込むハバード、白熱化するルイツのp、シェパードのts、そして、最後を見事に締めるハバード、これぞライブの醍醐味。名実ともにモダン・トランペッターNo.1の存在を明らかにしている。この音源はもっと早く世に出されるべきでしたね。
正真正銘の「当り発掘盤」。
これからも、どんどんハバードの発掘盤が出てきて、讒言者達を蒼褪めさすといい(笑)。
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