その昔、廃盤蒐集をしていた時期が。
大阪で新しい廃盤屋がオープンする情報を得て、行くつもりでいた。朝、起きると大粒の雨がしっかりと降っていて、わざわざ行くのもなんだなぁ~と逡巡していたが、どうにも落着かなく行く事に。といっても、開店前に並ぶほど根性は無く、しかも、梅田、心斎橋、難波辺りと違い土地勘が全く無い場所だったので、到着したのは開店から既に2時間ほど経っていた。
もう一陣が去った後で、店内はスイスイ、躊躇した小一時間を後悔した。目ぼしい獲物はもうとっくに無かったけれど、手ぶらで帰るのも空しいので3、4枚購入。
その内の一枚が本作。以前から狙っていたが、無造作にシールが貼ってある2nd。だから、残っていたのだろう。随分、迷った末、わざわざ来たのだから、と言い聞かせた。他に購入したブツは全く記憶がない。
帰りの近鉄の中、普通は入手したレコードを見ながらワクワクするものですが、この無粋なシールがだんだん鬼のように見え始め、この時ほど名古屋という地理的ハンディを痛切に感じた事はありませんでした。その筋に詳しい知人によると、名古屋の経済規模を1とすると、東京が10倍以上、大阪は7、8倍という。ブツの集まりもそれに比例するだろう。
出張の際、時々、時間をやり繰りして廃盤屋巡りをしていたが、これを境に徐々に足が遠のき地元でチマチマと。
結果的に、底なし沼に嵌らずに済んだけれど・・・・・・・・・・大したレコードも集まらなかった。
パーソネルは、
ROLAND ALEXANDER(ts) MARCUS BELGRAVE(tp) RONNIE MATHEWS(p) GENE TAYLOR(b) CLARENCE SCOBY STROMAN(ds)
録音は1961年6月17日 エンジニアはRVG
アレキサンダーの初リーダー作。極普通のハード・バップ作品ですが、何故か愛着が湧くアルバム。
この頃の新進ts奏者は殆どがコルトレーンに影響されていますが、アレキサンダーのtsは、意外にもロリンズ直系、そこが本作の聴き所ですね。
その後、オリジナルに出会う事はありませんでした。
こういうお気持ち、すごくよくわかります。
私も先日、全然期待できないのがわかってるのに、HMV新宿に足を運んでしまいましたから。
(結局疲れていて、あまり集中できませんでしたけど)
人それぞれでしょうけど、でも、廃盤蒐集はどこかで線を引くほうがよい、
と思います、やっぱり。 あるレベルを境に、人はおかしくなりますからね。
自分の経験から、そう思います。
多分、コレクションの対象になるのは、例外を除き、主に60年代以前と思いますが、自分がよく聴く年代が60年代以降で、それ以前にあまり深入りしなかったのが早目の諦めに繋がったかもしれません。
これからは、今までの「小さな夢」を「少しずつ」です。