jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

若かりし頃、この一曲 ・・・・・ I WISHED I KNEW / FREDDIE HUBBARD

2015-08-03 | Legacy of Freddie Hubbard

 

GOIN' UP / FREDDIE HUBBARD  (BLUE NOTE  BST 84056)

FREDDIE HUBBARD (tp) HANK MOBLEY (ts) McCOY TYNER (p) 

PAUL CHANBERS (b) PHILLY JOE JONES (ds)

1960.11.6



 三条大橋が好きだった。

必ずこの橋を渡るように、下宿先を洛北からわざわざ山科のアパートに移り変えたけれど、大学には週一ほどしか出ず、その辺りをぶらぶらと。

先の事など何も考えない毎日が、自分の22才だった。

 


先日、とあるカフェでC・G(カー・グラフィック)を読んでいると、BGMで「おやっ」を思う良いジャズを流していて、そのうち、ピアノのイントロの後、tpが・・・・・・・

 

オォ、‘I WISHED I KNEW’ではないか!やるぜ!

 

コルトレーン、エバンスなどの演奏で知られるスタンダード‘I WISH I KNEW’とは全く別の曲で、ハバードの友人でts奏者、Billy Smithが作曲したもの。

 

 

帰宅して久し振りに‘GOIN' UP’を取り出した。このアルバムはハバードのBNデヴュー作に続く2作目で、「オープン・セサミ」の陰に隠れていますが、内容は勝るとも劣らず、こちらの方が好き、と言う方も少なくない。

ガイド・ブック等に頼り過ぎている耳にはなかなか辿り着かない一枚。


 

B面の2曲目に針を落とす前に、カートリッジを敢えてナローなシュアM44Gに変えた。これが大正解。マッコイの後のハバードの艶と張りのある「音色」に耳を奪われた。

思わず「確か、再発のリバティ盤のはずだが・・・・・」とラベルを確認するほど(オリジナル盤をずっと待っていますがなかなか縁遠いです)。

メロディをシンプルに吹くだけでこれほどの情感を出すとは・・・・・・・・

エンディングに掛けてのバラード・プレイは、最早「新人」の域を超越しており、オープンtpの醍醐味とはこのことだろう。



モブレィも自身屈指のバラード・プレイを展開し、セッションを通じて先輩の意地を聴かせてくれる。

これもライオンの狙いの一つ。

1週間後の‘ROLL CALL’ではpにケリー、dsにブレイキーを配し、ライオンはモブレィのプライドに応えている。




プレイ・バックを聴きながら、ライオンはウルフとR・マイルズにこう囁いた。

「場所はマンハッタンの高層ビル、タイトルはもう決まっているさ、UPを出来るだけ上積みして」

 



わずか数年前、インディアナポリスのチンピラ小僧だったハバードの22才は、正にGOIN' UP³だった。



ps

しばらく開店休業状態が続いていた拙HP 「BLUE SPIRITS」を更新しましたので、暇つぶしにどうぞ。



 



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
米国盤 (azumino)
2015-08-05 23:47:05
こんばんは

これは最高の一枚ですね。僕が初めて買った米国盤で、当時はリバティなどということも知りませんでしたが、ガッツのある音質にさすが違うと感激しました。もっとも、そこからオリジナル盤指向には向かいませんでしたが。

ご指摘のように内容もよくて、ハバードのアルバム中でも好きな一枚となっています。
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Unknown (dodge(bs))
2015-08-06 21:12:52
こんばんは
 
ハバードのリーダー作で初めて入手したレコードが本作でした。ジャズ喫茶で聴き、脳天をぶち抜かれた記憶は今でも鮮烈に蘇ります。マイルス他、2、3人しか知らなかった時期でしたが、「天真爛漫」とでも言うのでしょうか、こんなトランペッターが居たのか!といった感じですね。
なかなか出玉がありませんが、いつかは、オリジナルを・・・・・
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