jazz and freedom and avenger

勝手気ままな戯事日記 暇つぶしに・・・・

EVANS & MANNE ON VERVE

2019-05-10 |  Artistry of Bill Evans

 

 

RIVERSIDEと比べVERVEの作品はあの四部作の威光により個別は兎も角、総じて下に見られている傾向があります。

ソロ、デュオからWith Symphony OrchestraまでVERVEは編制が多岐に亘り、色んな顔が見えて的を絞り難いせいかもしれない。それともう一つ、「音」、V・ゲルダーとエヴァンスの相性はどうなんだろう?

全てゲルダーの手とV・ヴァレンティンの意向が入っているワケではありませんが、「ちょっと鼻声」とでも言うのでしょうか、pの音が丸くなったイメージが付いて回る。

 

S・MANNEとの2枚を。左が”EMPATHY”(1962. 8.14)

MANNEを筆頭に並列にクレジットされているのは、エヴァンスがまだRIVERSIDEとの契約を完全にクリアしていなかったためですが、MANNEも当時、CONTEMPORARYと契約しており、この組み合わせを考え実現させたC・テイラーのプロデューサーとしての才はさすがです。

そうした裏事情によりMANNEとEVANSのダブルネーム的演奏のためエヴァンス・ファンには物足りなく聴こえるのはやむを得ないでしょう。

TOPの”The Washington Twist”で意表を突かれ、ラウンジ・ピアノ寸前の”Danny Boy”に???が。でも、B面は”With A Song ・・・・・”に余興が入るものの3曲共に出来は良い。

肝心の音は鼻詰まりまで至らなく、繊細なニュアンスを求めなければ案外、肯定的に聴けます。因みにV・ヴァレンティンの名は入っていない。

 

右は”A Simple Matter of Conviction”(1966.10.11)

本作はエヴァンスのリーダー作になっているだけに気合は十分ですが、TOPのタイトル曲のフェード・アウトは如何なものだろう?続く”Stella By Starlight”を効果的にUpしようとした狙いなら俗っぽいですね。B-1の”I’m Getting Sentimental ・・・・・・がベスト・トラック。ただ、全9曲は多すぎで、B-2の”Star Eyes’はエヴァンスしては凡演の類に入るだろう。

注目すべき点はその後長い付き合いとなるE・GOMEZ(b)のリアルタイムでのレコーディング初参加です。後年ピックアップを使用した音と異なり弾力あるアコースティクスなサウンドはなかなかの聴きものです。

この国内盤は世界初のドイツノイマン社製SAL-74/SX-74・トータルカッティングシステムを採用、プレスされ音圧レベルが高く迫力もあり、国内盤のイメーを覆します。低域に厚みが加わりpの重心も下がり重量感は半端でありません。なお、こちらにはV・ヴァレンティンの名があります。

 

この2作に甲乙を付けるなんて無意味ですが、敢えて付けるなら世評と違い”EMPATHY”を。

決め手はゴルフで言う所の上り3ホール(曲)の出来映えで”EMPATHY”はパー、パー、バーディ、対して”A Simple Matter of Conviction”はダブルボギー、辛うじてパー、パーと聴きました。

MANNEのドラミング、「騒がす、慌てず、焦らず」、そしてセンシティブなプレイは「校長先生」です。

 

直ぐ手が伸びるアルバムではありませんが、内容は意外に面白味があり、エヴァンスって結構、気分屋ですね(笑)。



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2 コメント

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Unknown (ルネ)
2019-05-11 20:39:51
この2枚は愛聴盤です。 傑作だと思います。シェリー・マンはいいドラムを叩いていますよね。
エンパシーはなかなかいい音場感だと思います。私もエンパシーの方が好きです。
国内盤の音がいいとは知りませんでした。見かけたら聴いてみます!
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Unknown (dodge(bs))
2019-05-11 23:05:04
Riversideの延長線で聴くとちょっと違和感を覚えますが耳をフラットにすると両作の良さを感じ取れますね。
一流プレイヤーは良くも悪くも振幅の広さがそのままスケールの大きさに繋がっているように思います。
エヴァンスの魅力を改めて確認しました。
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