本題に入る前に ・・・・・・・
これが何だか分かりますか?
もう少し分かり易くすると・・・・・・・ 直ぐわかる方は相当なマニアですね。
オーディオ・ショップにぶらっと寄った際に見つけたもの。空きコンセントにほこりが入らないように差し込み、同時に振動を抑え、放出される電磁波を表面に張ってある吸収材で消滅させるキャップです。まるでオカルトのような世界ですが、ちゃんと商品化されているところが凄い、感心しました。英世一枚だったので試しに。
こんな感じで壁コン2ヶ所、電源BOX2ヶ所に取り付けた。
確かに変わります。クリーンさが増しますが、ソースによってはややソリッド感が顔を出てくるので薬にも毒にもなりますね。しばらくこのまま様子を見ることにします。
そこで本題です。
「埋もれた巨人」、「目覚めた巨人」と紹介されるケースが多いH・タプスコット(p)を3枚。
まずデビュー作、タイトルもずばり”THE GIANT IS AWAKENED”(1969年録音)
西海岸では演奏者だけでなく、作・編曲家、活動家、理論家として指導者的な立場にあってけれど、アメリカ全土ではあまり知られていなく(勿論、わが国でも)、B・シールがフライング・ダッチマン・レーベルを設立した際、「巨人発掘」という形で世に出した作品。当時、かなり話題になりました。
セシル・テイラーにも通ずるパーカッシブで硬質のタプスコットのpを機軸に、ダブル・ベースとドラムス、そしてコルトレーン・ライクなブライスのスピリチュアルなasががっちりとモダンジャズの枠組みの中で絡み合い、タプスコットの強烈な個性が前面に打ち出された快作。
このカヴァの左端に写っているのが、後年、ロフト・ジャズを経てメジャー入り(コロンビア)を果たしたA・ブライスです。
フライング・ダッチマンでの録音は何故か1枚だけに終わり、暫く彼の名を見ることがなく、10年ほど経って見つけた作品が”IN NEW YORK”(INTERPLAY・1979年録音)。
プロデューサーの妙中氏は、「ここまま埋もれさせてはいかん!」との思いからでしょうか、ニューヨークに出向きA・DAVIS(b)、R・HAYNES(ds)という一流NY派と組んだトリオもの。意気に感じたタプスコットはやや気負い過ぎの面もあるけれど、正攻法で全力を出し切った緩みのないプレイを展開している。ただ、この人、エンディングが上手くないのが惜しいですね。
翌1980年、今度はハリウッドで気心が知れたメンバーで吹き込んだ”AUTUMN COLORS"。
同じ妙中氏がプロデュースしている。”IN NEW YORK”と異なる味付けに工夫がされているが、もともと器用さは持ち合わせていないタプスコットだけに真摯なプレイは変わりないけれど、逆に中途半端な感じが否めない。
なお、この国内BOPLAND盤がオリジナル・イシューです。
他にアルバムはかなり有りますが、残念ながら手が回っていない。
偶にはこうした硬派、辛口作品を聴く機会があってもいい。ピリっと・・・・・・・・