新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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濱嘉之「爆裂通貨」

2018-04-14 18:02:17 | 読書
待っていた濱嘉之の新刊です。青山望シリーズの新刊です。たまたま書店で見つけたのですが、発売日から二日過ぎていました。発売日当日に見つけるのが、ひそかな楽しみなのですが。

さて手にとって最初に感じたことは、題名がなんだかなーと言うことです。このシリーズは4文字のタイトルがずっとつけられています。他のシリーズがどうだったか書棚に行くのが面倒なので他のシリーズは確認してません。このシリーズはこれで11冊目ですが、一番ダサいと言いますか、何の事だかよく分からない。特に「爆裂」と言う熟語が通俗すぎる気がします。

さて物語です。
表4のあらすじを書きますと、
「ハロウィンの渋谷で、マリオの仮装で見事な行進をする集団が注目を集めていた。直後にATM爆破と殺人が同時多発!しかもハワイでも。これは国際テロの予兆なのか?警視庁公安部のエース青山望が同期カルテットと共に日本の隙に忍び寄る〇〇〇の影を追う」とあります。

昨日買いましたので曇り空の本日さっそく読了しました。
前作の紹介でも書きましたが、濱嘉之の小説を紹介するとき困ったことがあります。小説に登場する捜査対象のカテゴリーやジャンルや団体名や国名をそのまま原作そのままに紹介しにくいのです。勿論小説上でははっきり書かれていますし、日常TVで紹介される国々が登場しています。が、生々しくて一市民の私では書けません。場末の市民が気にするなとおっしゃいますが、登場団体や国々の組織の行動パターンを読むたびに、いらないきっかけを与えないようにとつい心配してしまう私がいます。

おなじみの警視庁のカルテットの活躍の小説です。青山望管理官の新婚生活もちょこっと登場します。新妻らしからぬ銀行員としてのたくましさもちょっと出てきます。最近は大和田博管理官の活躍も増しています。今回は、三流政治家や犯罪組織が中心ではなく、帯に書かれたようなジャンルの団体が中心に登場してきます。奴らがなぜ日本を狙っているか、狙わずにはいられない状況が詳しく解説されています。単なる難破船ではないのです。そしてそれに対する警視庁ほかの戦いも。

濱嘉之の小説の特徴の一つに、その事例の背景が詳しく解説されていることです。日本国内だけでなく周辺国の内情が(特に経済状況が、そして国民の格差が)詳しく解説されています。
私たち小市民は、こんなことに巻き込まれないように、近づかないようにしなければと、バカなことを考えています。

何時もの事ですが、本作では個々の登場人物ではなく国家としての政治経済の解説がたっぷりされています。その為事件や解説がなかなか出てこないことがあり、飛ばして読みたくなることもありますが、それも何とか耐えて読んでおります。
こんな事件があったなと想定できるのですが、今回はまだマリオのATM襲撃は起きていないですよね。
それと犯人たちがなぜマリオの仮装をしたのか、なるほどと思わせるものがあります。そう言うことか。油断するなと言うことですね。


コメント
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