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読書と映画をめぐるプロムナード

読書、映画に関する感想、啓示を受けたこと、派生して考えたことなどを、勉強しながら綴っています。

「村上春樹はくせになる」(清水良典著/朝日選書刊)

2006-11-17 05:09:17 | 作家;村上春樹
序 一九九五年から Ⅰ 1ようこそ現実へ~「アンダーグラウンド」「約束された場所で」 2ここに来て~「スプートニクの恋人」 3もうひとつの社会復帰~「神の子供たちはみな踊る」 4メタファーの森~「海辺のカフカ」 Ⅱ 1失語からの出発~「風の歌を聴け」 2作家「鼠」の死~「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」 3「終り」の終わり~「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」 4埋葬された . . . 本文を読む

「1973年のピンボール」(村上春樹著/講談社文庫)

2006-10-05 05:37:12 | 作家;村上春樹
『1973年のピンボール』は、著者の第二作。「デビュー作『風の歌を聴け』から9ヵ月後、文芸誌『群像』1980年3月号に発表。同年6月に単行本化された。「僕と鼠もの」シリーズの第二作。『pinball,1973』のタイトルで英訳版も発行されている。大江健三郎の『万延元年のフットボール』のパロディでもある」。 「1973年9月に始まり、11月に終わる、『僕』の話であるとともに鼠の話で、ピンボールにつ . . . 本文を読む

「羊をめぐる冒険(下)」(村上春樹著/講談社文庫)

2006-09-14 04:31:38 | 作家;村上春樹
第七章 いるかホテルの冒険 第八章 羊をめぐる冒険Ⅲ エピローグ 「羊」と何か?この基本的なメタファーに思い悩む。「キリスト教では、ヤハウェ(唯一神)やメシア(救世主)に導かれる信徒たちが、しばしば羊飼いに導かれる羊たちになぞらえられる。旧約聖書では、ヤハウェや王が羊飼いに、ユダヤの民が羊の群れにたとえられ(エレミヤ書・エゼキエル書・詩篇等)、新約聖書では、『ルカ福音書』(15章)や『マタイ福音 . . . 本文を読む

「羊をめぐる冒険(上)」(村上春樹著/講談社文庫)

2006-09-12 01:00:54 | 作家;村上春樹
第一章 1970/11/25 第二章 1978/7月 第三章 1978/9月 第四章 羊をめぐる冒険Ⅰ 第五章 鼠からの手紙とその後日譚 第六章 羊をめぐる冒険Ⅱ 本作は、村上春樹の長編小説第3作。文芸誌『群像』1982年8月号に掲載され、1983年10月に単行本化。「僕と鼠もの」シリーズの第3作(「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」)。野間文芸新人賞を受賞。 「村上春樹がジャズ喫茶『 . . . 本文を読む

「ダンス・ダンス・ダンス(下)」(村上春樹著/講談社文庫刊)

2006-08-05 11:16:45 | 作家;村上春樹
登場人物 ・ディック・ノース;片腕の詩人。アメの付き人。 ・ユミヨシさん;「いるかホテル」の跡地に建てられた「ドルフィン・ホテル」の従業員。 ・羊男;羊の皮を被った謎の男。ドルフィン・ホテルでいつまでも「僕」を待つ。 ・鼠;前作「羊をめぐる冒険」で死亡した「僕」の親友。 ・文学;「赤坂高級コールガール殺人事件」を担当する赤坂署の刑事。 ・漁師;その同僚。 下巻もふんだんに出てくるPOPS、ジャズ . . . 本文を読む

「ダンス・ダンス・ダンス(上)」(村上春樹著/講談社文庫)

2006-07-31 06:07:24 | 作家;村上春樹
登場人物 ·僕(主人公);元翻訳事務所勤務。現在はフリーライターとして「文化的雪かき」に従事している。 ·キキ ;耳に特別な力を持つ「僕」の元恋人で元高級コールガール。 ·五反田君;有名な二枚目映画俳優、「僕」の高校時代の同級生 ·ユキ;霊感的少女。特別な感受性を持つ ·アメ;ユキの母親で高名な写真家。独創的で力強い写真を撮るこ . . . 本文を読む

「ノルウェイの森(下)」(村上春樹著/講談社文庫)

2006-06-13 01:03:20 | 作家;村上春樹
単行本1987年9月講談社刊。 この小説を書いたとき、村上春樹は38歳。今の私から見ても、当時のこの作家の持ち合わせる若さ、老獪さ、造詣の深度に驚く。なぜ本書のタイトルが「ノルウェイの森」なのかとふと考えた。すると、逆に、上巻の感想文で引用したビートルズのこの曲をモチーフとした小説なのだと考えると合点がいく。ひとつの楽曲を小説に仕立てる試みは重松清が「ビタミンF」で継承している。 フリー百科事 . . . 本文を読む

「ノルウェイの森(上)」(村上春樹著/講談社文庫)

2006-06-11 05:44:30 | 作家;村上春樹
単行本1987年9月講談社刊。 「暗く重たい雨雲をくぐり抜け、飛行機がハンブルグ空港に着陸すると、天井のスピーカーから小さな音でビートルズの「ノルウェイの森」が流れ出した。僕は1969年、もうすぐ20歳になろうとする秋のできごとを思い出し、激しく混乱していた」。冒頭の描写で「NORWEGIAN WOOD(This Bird Has Flown)」をモチーフにした作品だとわかった。 なぜかわから . . . 本文を読む

「風の歌を聴け」(村上春樹著/講談社文庫)

2006-05-05 16:11:26 | 作家;村上春樹
27年前の村上春樹のデビュー作(1979年『群像』6月号)を読んだ。 「群像新人文学賞を受賞し、1979年6月、文芸誌『群像』に発表。『僕と鼠もの』シリーズの第一作。応募当初の題名は『ハッピー・バースデイ、そして、ホワイト・クリスマス』。執筆時の村上春樹と同じく1978年に29歳になった「僕」が、1970年21歳の時の8月8日から8月26日までの19日間の物語を記す、という形をとり、40の断章と . . . 本文を読む

「海辺のカフカ(下巻)」(村上春樹著・新潮文庫)

2006-04-29 23:49:54 | 作家;村上春樹
上巻を約一週間かけて読み、下巻を今日一日で読んだ。上巻に登場した人物に加え、20代半ばの青年星野が後半重要な役割を演じる。本書のテーマの一つは、今生の自分を半身として捕らえその半身である「ツインソウル」を求める旅、ロードノベルになっている。 周知のように本書は、今月23日にフランツ・カフカ協会により決定されたチェコの文学賞「フランツ・カフカ賞」を受賞。同賞は01年創設で、今年で6回目。また、この . . . 本文を読む