作雨作晴


日々の記憶..... 哲学研究者、赤尾秀一の日記。

 

ヘーゲル『哲学入門』第二章 義務と道徳 第四十八節[徳と道徳と義務]

2022年05月11日 | 哲学一般

 

§48

Weil die Tugend zum Teil mit dem natürlichen Charakter zu­sammenhängt, so erscheint sie als eine Moralität von bestimm­ter Art und von größerer Lebendigkeit und Intensität. Sie ist zugleich weniger mit dem Bewusstsein der Pflicht verknüpft, als die eigentliche Moralität.(※1)

第四十八節[徳と道徳と義務]

徳は一面において、人の生まれつきの性格に結びついているから、徳はより確実なたぐいの道徳性であるかのように、よりすぐれて生々とした強烈な道徳性であるかのように見える。徳はまた本来の道徳性よりも義務の意識は弱い。

 

※1
徳(die Tugend)とは生まれついての道徳性であることから、義務を果たしているという意識は強くはない。したがって、それだけ偽善的な傾向もない。
どのような経過でそうした性格が獲得されるのかその由来はとにかく、犠牲的な精神に富む人、国家や社会に対する公共的な義務を積極的に果たす人、性格的に優しい人、思いやりのある人など、また、そうした性格をもたない人、つまり徳のない人など、個人的にもさまざまである。我が国には「不徳の致すところ」という詫び言葉がある。

本節をもって「自己への義務」の記述は終わり、「家族への義務」に移る。

 

ヘーゲル『哲学入門』第二章 義務と道徳 第四十八節[徳と道徳と義務] - 夕暮れのフクロウ https://is.gd/FhHCrH

 

 

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