Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

恐怖のじいちゃんちの話

2016-05-18 21:50:00 | コラム

原体験は?子ども時代に恐怖したものTOP10 (R25の記事より)

日本のホラーといえば、神社や寺、山深い集落というのがお決まりです。
やはり歴史ある伝統的なものは神秘的な反面どこか不気味です。

それで言うと、奈良の山間にあった母の実家は僕にとって恐怖体験の宝庫でした。
毎年お盆になると家族で帰るのですが、もう一日目の朝から違います。

まず、宗教に打ち込んでいた祖父の朝の祈祷で目が覚めます。
四十畳はあろうだだっ広い部屋に祭壇があるので、それはよく響くのです。

また、裏の勝手口を出たところにある草の生い茂った中庭には、あやめがぽつんと咲いている場所がありました。
法的に色々ありそうなのでボカしますが、そこには早逝した祖母が眠っています。

極めつけは、祖父が菜園にしていた裏山にあります。
見通しの利く気持ちのいい所なのですが、少し行くとなんと朽ち果てた廃寺が姿を現すのです。
夕方、懐中電灯片手にいとこと子どもたちだけで行った時は、ゲーしそうになるほど怖かったです。

そして、夜になると、同じ敷地にある叔母の家の居間でみんなで夕食を取ります。
小高い丘の上に一軒だけなので、庭に面した大きなガラス窓は夜でもカーテンも閉めずにそのままにしてありました。

一面のガラスの窓の向こうは、明かり一つないひたすらに深い闇でした。
こちら側の明るい団欒と、ガラス一枚隔てた向こうに広がる無限の暗闇とのコントラストが僕にはただただ不気味でした。

もしかしたら、あっちの闇が本当でこっちの賑やかな団欒が嘘なんじゃないだろうか。
闇を背景にしてガラスに半分透けて映るみんなと自分の姿を見ながら、時々そう思ってました。

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