Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

ちょっとだけ数奇な星の下に生まれたKさんの話

2016-06-02 21:48:48 | コラム

兵庫 時速300キロの新幹線にはねられ死亡 遺体の損傷は激しい模様(MBSのニュース記事より)

学生時代にしていたバイトの先輩にKさんがいました。
某戦前の帝国時代の首相と同姓同名で、その名に劣らず高校時代も生徒会長をしていたような人でした。
どうもこのKさんは不思議な星の下に生まれたらしく、いくつも逸話を持ってました。

バイトの終わり帰り支度をしていた時のことです。
Kさんが「今日二度も救急車を呼んだんだよ」と言い出しました。
聞けば、まず自宅から駅へ向かう道すがら、目の前で人が車に引かれたんだそうです。
責任感の強いKさんは、その場を収めつつ、自ら率先して携帯で119番したのでした。

興奮冷めやらぬ中駅に着いたKさんは、ともかく切符を買うために発券機に並びました。
すると、今度は自分のすぐ前に立っていたおばあさんが突然倒れたのだそうです。
慌てて抱きかかえて声をかけますが返事がありません。
やっぱり責任感の強いKさんは、いち早くその日二回目の119番をかけました。

すごい体験だと僕が驚いてると「親父もこんなこと多いんだよな…」とKさんはしみじみつぶやきます。
出張で乗っていた新幹線がある駅を通過しようとした時のことです。
突然、傍らの窓ガラスを突き破り人の身体の「一部」がものすごい勢いで入ってきたんだそうです。
運が悪ければ、Kさんのお父さんもただではすまないところでした。
「さすがにその日は出張切り上げて帰ってきたよ」
そうKさんは言ってました。

二度ある事は三度あるとよく言います。
「多分、次救急車呼ぶとしたら俺が乗る番だと思う…」
そう言い残して自転車で夜の道をぶらぶら帰って行きました。

幸いKさんは無事でした。
そもそも人を二回も助けたのだから、いいことだったんじゃないかと僕は思ってました。

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