早稲田キャンパスでは現在、新3号館が建設中だ。
早稲田大学7号館から仮称D棟工事現場。写真奥は1号館。
所在地:新宿区西早稲田1-6 Google Map
Photo 2013.1.9
恐らく新3号館になるのだが、現在は仮称D棟として建設が行われている。
以下の画像・図版は、新宿区景観まちづくり審議会の、第48回審議会に提出された資料から。議事録を見ると、大学が大きな建物を建てることに怒っている委員の方もいて、不謹慎かもしれないが面白い。。。G先生とか身内の計画というのもあって、あまり厳しい発言もできなかったのかな~とも思う。
新宿区 > 新宿区景観まちづくり審議会
> 第48回新宿区景観まちづくり審議会
> 早稲田大学早稲田キャンパス D棟(仮称)建設計画について(PDF)
> 議事録
上図は資料に建物名を加筆したもの。早稲田キャンパスの建物群は正門前に1号館、2列目に南から2、3、4号館で、演劇博物館が5号館。3列目は北から6、7、8号館、4列目はまた南から9、10、11、14、15、16号館という配置になっている。
ここ10年ほど、建て替えが進められていて、最初に建て替えられた14号館は仮称A棟だった。次が8号館でこれが仮称B棟、最近できたのが11号館で仮称C棟と言われていた。それで、今回は3号館で仮称D棟である。
なお、図中手前には大隈記念タワー(26号館)と、小野梓記念館(27号館)があるが、これは厳密には早稲田キャンパス外で、A~Dの建物更新とは別物だったため、α棟とβ棟として建設が進められた。
数年前に私もちょっと関わっていた早大キャンパスの建物ボリュームや高さの方針では、1号館は保存することとし、2~4号館は基本的には低層のゾーン、6~8号館が並ぶゾーンは中程度の高さやボリュームを認めるゾーン。そして9~16号館ゾーンは最も大きなボリュームや高さを認めるゾーンというように考えられていた。早稲田キャンパスの敷地は正門前から大隈侯の銅像方向へ向かって坂を上っていく。敷地の高低を強調するように、高台側に背が高く大きな建物を置き、標高が低い正門側は高さを低くするという方針だったのだが、今回は中程度の高さやボリュームを認めるゾーンに比較的大きな建物が建つ計画になっている。そしてその結果、7号館などは三方を高層建物で囲まれる状態になりそうだ。
景観審議会の議事録を見ると、大きな建物を建てるなら3列目の7号館の位置の方が良かったのだけれど、入居する学部の意向から、2列目だが大きな建物とすることに理事会方針でなってしまったとG先生は仰っておられる。都市計画や建築計画の専門家が良かれと思って作ったガイドラインが、自らの組織の手によって反故にされて形骸化してしまった感じなのはなんとも残念ではある。
ただ、ボリュームの要請が大きいのは都心にキャンパスを構える大学としては致し方ないだろうなとも思う。じゃんじゃん学生を入れて、建物造って儲けようとしているという批判は、ちょっと言い過ぎな感じで、現在の都心の大学間競争の中では、昔の建物のままでなどというナイーヴな物言いは夢想的でしかないような気がする。
さて、そのD棟、近代様式建築の旧3号館のイメージを再現して、その後方と上方に新建物を造るかたちになるようだ。屋根の上に乗っかるようなデザイン。良いのかなぁ・・・。
正門付近からのパース。1号館の軒線と合わせて3号館はイメージ再現され、高層部分はやや下がった位置から壁面が立ち上がっており圧迫感を軽減しようとしている。ただやはり正門に近い分、かなり大きく見えてしまうのは事実かも。後方や側面の足下周りには多少ピロティ的な部分ができてオープンスペースは少し広がるかもしれない。
議事録にはD棟が終わったら次の予定は白紙のようだとあるが、耐震的に厳しいものや老朽化している校舎は他にもある。資金の目処が立てば、D棟の後も後方の建物を中心に建て替えが徐々に進められるのではないかと個人的には思う。
#新しい建物 新宿区
#街並み 新宿区
#早稲田大学
#大学