あるBOX(改)

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検証「村田諒太vsアッサム・エンダム」(2)

2017年05月23日 | ボクシング
「検証」というか、やっぱり単なる「感想」だな(笑)

ここで、ボクシングにおける採点法の話。
特に世界戦での採点法。

テンポイントマスト方式は、つねに片方10点つける事。
ラウンドマストは、際どいラウンドでも、とにかく振り
分けて差をつける事。要するにイーブンのラウンドを
作らない事。
これが採用されている。

むりやり差をつけるなら
当たってなくても、とにかく手数を出している選手に
振り分けられる。

よってダウンで10-8になっても。
続く2つのラウンドを微差で盛り返せば取り返せる。



ここで問題になるのが
単発でも当てた選手vs手数の選手の対比。
単発でも「当ててる」んだから、そっちが優位だろうと。
私なんかそう思うワケですよ。

※だからフロイド・メイウエザーjrとホセ・ルイス・
 カスティーヨの第一戦なんて、私は攻勢を掛け続けて
 ボディブローを打ち込んだメキシカン勝利と見た。
 再戦はメイウェザー勝利に同意するけど。

そこで思い出されるのが米プロボクシング界の悪慣習。



昔モハメド・アリを勝たせるため、彼が得意なジャブや
フットワークを過剰に評価する採点法(?)。
当たってないジャブも採点に反映され、それは「アリ・
ポイント」とも「ラスベガス方式」とも呼ばれた。

一方、日本や韓国は攻勢点を取る傾向にあったので、同じ
競技なのに全く違う結果が出てしまう事も度々。

※昔の世界戦で1名韓国人ジャッジがいたら、それは絶対
 攻勢点を取る採点者が1人存在するという事だった。

本場米国でのビッグファイトと、アジアで開催されるプロ
ボクシングの世界タイトルマッチの採点基準が、まるで別
競技の如し。

採点におけるプロボクシングのアマチュア化。



※最近は逆にアマチュアの採点法の方がプロ化していて、
 村田の金メダル獲得など、この要素が大きかったと思わ
 れるのだ。

 高見公明氏や萩原千春氏らの先輩アマチュアなど、国際
 試合で相手にダメージ負わせつつ手数で差をつけられ、
 まさに「タッチ・ボクシング」にしてやられたものだ。
 ボディブローなんて殆ど評価されなかったし。



しかし、まさか、この「ラスベガス式」採点が、日本で、
しかもメディアも後押しする村田諒太の試合で発動される
なんて思わなかった。

そう思ってた時点で私も「地元開催だから採点でも大丈夫
だろう」と高を括ってたんだろうな。

北米のジャッジは、米大陸を離れても基準を大きく変える
様子もないし。

畑山隆則なんてジュリアン・ロルシー戦では大差で負けに
なったが。
やはり前進してのボディブローが殆ど評価されてなくて、
驚いたモノです。



※あの試合は負けと思ったが、あまりの大差にビックリ
 でしたって事です。

TBSタイトルマッチとも揶揄された、一時期のWBA
ライト級タイトル興行。
リック吉村戦では攻勢点が評価されてたのが、指名試合
じゃ、まるで効能なしと思うと、「採点基準って何だよ」
…と半ば笑ってしまったものです。

※まぁ、リック戦は日本人がレフェリーだったし。
 リックのクリンチを減点したりしてくれましたし。
 もっとも試合を面白くするためには正しい裁定だったと
 思うし、あれでリック勝利でも私は納得いかなかったで
 しょう。

まぁ、米国でも商品価値ある「ライト級タイトル」ですから。
「いつまでも東洋で興行してんじゃねぇぞ」という「世界の
業界意思」が働いたのかも知れませんがね。



それを考えると村田の試合も「ミドル級」。
いくら金メダリストとはいえ、それだけで贔屓するほどの
商品価値は無いって事でしょうか。

たとえ日本で開催される世界タイトルマッチでも、軽量級と
違って、中量級は米国の採点基準が持ち込まれるって事か。

日本開催でラッキーだったのは、ラウンドのラスト10秒を
知らせる拍子木をゴングと勘違いしたエンダムにパンチを
余分に入れる事が出来たって事ぐらいでしたかね。

エンダムがロープに救われてダウンを間逃れたシーンだって、
逆に考えれば「ダウンに等しい状況で8カウント数えず続け
させてくれた」って事だから。
本当はラッキーだったかも知れません。