あるBOX(改)

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「ヘヴンズ・サイン」と言えば・・・

2004年12月05日 | 生活
実にイヤな話だった・・・・と言いつつ「イヤな話」ほど覚えているモンで。

大人計画の「ヘヴンズ・サイン」。

新興住宅地に住む主人公の少女(新井亜樹)は、父親の勤める化粧品会社が動物実験で猫を使用している事を知って自傷癖が始まり、遂には自らネットで自殺予告するに至るのだが。

その上、猫殺しまで始め。新興住宅地ならではの滅菌された善意ある御近所からは「いいのですよ~。私のトコロのミケちゃんも殺されたけど~」とか言われながら敬遠され。

「私達は、これからコーラスがありますから。あっ、○×ちゃんも宜しかったら来てね~」などと、心にも無い事を言いながら去って行く住人達。

そして聞えて来るのは、清潔でおぞましい歌声。

「やぁ、叔父さんだよ~。どうした、○×ちゃん。また手首切ったんだって~」とクネクネ現れた叔父役の松尾スズキが、包帯だらけの姪をテーブルに寝かせて性交に及ぶ。

「大丈夫だからな~」とか言いながら、作り物のイチモツを開いたファスナーから取りだし、姪に突き付け、大きく動かす松尾。

「ア―――――――!!!」
そのままの姿勢で、悲鳴のような声を上げる新井亜樹さん。

背後に聞こえる清潔でおぞましいコーラスの歌声。
決して強姦では無い。しかし合意でも無い。

スクリーンに映る「自殺決行予定日まで、あと×日」の文字。

おぞましい。なんという、おぞましい演劇。

同時進行で行われる「係員を殺して病院から脱走したグループ」の行動もおぞましく。

障害者やその周辺の人々の業を描いた(?)「ファンキー」でさえ笑って見ながら感動もしてたウチの連れが、青い顔をしている。

その時の松尾スズキとう役者の動きが、またクネクネしてて実におぞましく。

まるで悪魔か、気の狂ったピエロか、からくりサーカスのオートマータか?・・・・ってほど異形の演技であったワケだが。

いや、ホント。
週刊少年サンデー連載の「からくりサーカス」、実写版あったら、ぜひ出ていただきたい。

そうだな、今回は「このおぞましさ」が足らなかったのかも知れないな。

痛々しい役やらせたら天下一品の新井亜樹さんも出てないし(普段はイラストレーターの彼女は正式な大人計画の役者では無い)。

まぁ、大人ファンには「ヘヴンズ・サイン」でさえも「サイコー」とか言ってる人いるだろうから、その辺の人からすると今回のは物足らんだろうな。

あそこまで行かんでも。
また業の深い演劇を見せてほしいものです。

つ~か「恋の門」の方が面白かった感じあるので。あっちで、ここ数ケ月のエネルギー使い果たしたか?・・・って気もするし。

そう言えば「クド監」こと宮藤宮九郎が監督する「やじきた・イン・ディープ」も、その濃さが期待されるのだが、クドカンってバランス感覚イイからなぁ~。

ここ数ヶ月で日の目をみる「恋の~」「イケニエの~」「やじきた~」。

結局「恋の~」が一番おもしろかったりしてな・・・・。

◆12/4(後楽園ホール)の試合結果
○4R
真下裕明 判定 伊村修一
石本康隆 KO2R 松田貴之
川村貢治 判定 橋本 均
○6R
田岡浩司 判定 大川健二郎
中川大資 TKO5R 十二村喜久
○8R
三浦隆司 引分 鈴木哲記
石井一太郎 TKO1R 藤原康志
○日本Sライト級タイトルマッチ10R
木村登勇 判定 五百久寛行

◆12/4(パナマシティ)の試合結果
稲田千賢 TKO3R エベル・モレノ(コロンビア)

大人計画「イケニエの人」を見て②<br>収穫は平岩紙

2004年12月05日 | 生活
・・・では、今回の「イケニエの人」が全然ダメだったかと言うと、そうでは無く。

ある意味「平岩紙、大フィーチャー」で、紙ちゃんが、それに見事に応えている・・・なんていう嬉しい収穫があったのでした。

他の役者さんは、役ドコロが「これまでのキャリアで出来上がってる」のだが。

新しい血とも言える紙ちゃんは「教授に仕込まれた無表情のアンドロイド風な元娼婦役」を淡々と、または派手に演じてくれているのだ。
派手に、なんつっても表情は無いままカンフーの殺陣をこなしたり。上半身お下着姿になられたり・・・。

ぶっちゃけ「紙のように肌が白いから」との命名理由に納得のお肌だったワケだが。
早い話、コレが最高の収穫だったワケだが(笑)。

若くて、それなりに可愛くて、初々しいのに演じる上手さもある、凄い存在なのではないか?・・・・なんて驚愕する次第で。

この子は、大人計画の救世主なのではないか・・・とまで思う次第で。

劇団ってのは、分裂創立を除きどんなトコロでも最初は全員素人で。
大人計画も、自己表現したいんだか何だか分からない、していいのかコノ人たち・・・みたいな人々でもあったのだが。

売れて、途中参加の人も増えたりすると「演技派」みたいなメンツの比重が増したりして。
「新鮮な異形の面白さ」みたいなのが失われていくのだが。
今回、久々の「純大人陣」で行われた公演でさえ、そんな雰囲気を感じたのだが。

そこに、「マネキンのような異形性」も「若い新鮮さ」も「天性の演技上手」も備えた可愛らしい怪物・・・が入り込んできた。

そんな印象受けるワケで。

若き紙は「大人計画の申し子」のような存在な気がするのよね。

大人創立の頃は一桁台の年だったろうし。「初めてみたのが“ヘヴンズ・サイン”。それに凄い感動して、今でも落ち込んだ時はビデオで見る」なんて凄い事をおっしゃってる。

「ヘヴンズ・サインなんて最近のじゃん!!」
「しかも、ネットに自殺予告する少女の話じゃん!実に嫌な話じゃん!」
「ウチの連れなんて一緒に見に行った後にメシ食ってて情緒不安定になって泣き出したくらい嫌な話じゃん!」
「上演期間中にホントに元ネタになってた少女が自殺しちゃって、女の子役やってた新井亜樹さんは『もう、やりたくない!』と訴え、書いた松尾スズキもノイローゼになり、なぜか松尾の嫁もノイローゼ気味になった、いわく付きのタイトルじゃん」

・・・・なんて感じなんですわ。
そんな話を見て「大人計画に入ろう!」と考え、落ち込んだ時にビデオで見て元気を出し、励みにするという平岩紙!!

なんという娘よ!!恐ろしい娘だわ!!怪物よ、この娘は!!

・・・なんて、宍戸実和公さんに言わせてみたい平岩紙!!

次回は「紙、主役扱い」なんてあってもイイかも。いや、あって欲しい。

キチガイ博士・松尾が作り上げたアンドロイド(もちろんエッチな機能&世界を滅ぼす能力付き)の紙、大人の古株メンバーがエキストラのように虫ケラのように死んでいく中、世界の終末へまっしぐら・・・そんな話が待ち遠しい。

そんな、松尾スズキや大人計画の製作の人が読んだら死ぬほど嫌がるであろう日記を私に書かせる程イマジネーションを刺激してくれる女優さんに成長した平岩紙嬢。

おそるべし紙!!!