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映画、読書などのメモ

K-20 怪人二十面相・伝

2017-11-13 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★K-20 怪人二十面相・伝
原作:北村想
監督:佐藤嗣麻子
キャスト:金城武、松たか子、仲村トオル、他
2008/日本

怪人二十面相は乱歩が生んだ、日本のダークヒーロー。子どもの頃は「少年探偵団」をよく読んだ。当時のテレビや読み物、漫画にはイイもんワルもん問わず、仮面をつけた、マントをつけた、とにかくようわからんモンがよく出てたなと思う。今から思えば不思議なスタイルであるし、笑えるスタイルでもある。時代を象徴するものかもしれない。

乱歩のシリーズでは、二十面相は何回でも捕まるし、死んだ事にもなる。でもいつも不死鳥のように生き返り、新たに明智小五郎とスリリングな対決を繰り返す。何回も何回も新しい物語として作られ、再生され、二十面相イメージが増殖されてきた。

映画の原作者となった北村想さんも、「伝」というスタイルで人間二十面相を描き、新しい物語を作り出している。そして今回、この映画はその北村さんの物語をさらに引き継ぎ、新たな怪人を生み出している。すばらしいヒーローという者は多くの人にいろんなイマージネーションを与えてくれるものだなと思い、ウットリ見つめ、納得した。

戦後の混乱と近未来の解け合ったような街の風景は、VFX技術とロケ地北九州の街が合体して非常にレトロな世界観が出ている。アニメを実写化したような世界。その街で生きる人物や空飛ぶ乗り物は、宮崎駿、押井学アニメのような雰囲気さえ感じた。

監督、脚本は佐藤嗣麻子さん。彼女はカプコーンの「鬼武者」のオープニングムービーを作っている。金城武さんはそのCGキャラであり、声優ばかりかモーションアクアーを担当している。2人は「鬼武者」繋がりであり、コンビの息はぴったり合っているように思えた。仕事運がついている。 金城武二十面相は、澄んだ瞳に笑顔が可愛く、どこかおとぼけで人に優しく、闇のダークヒーローではなく、庶民的正義派の正真正銘のヒーローである。乱歩や、原作北村二十面相とは全く違う。金城武さんの姿、顔は二十面相としてボクら目に焼き付いてしまった。


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