Nの祝祭日

映画、読書などのメモ

サマーウォーズ

2020-03-31 | chinema(日本アニメ映画)

「サマーウォーズ」を観ました。
プライムビデオで久しぶり。

 

 

爽快感いっぱいの「夏の戦い」を体験できる映画。
信州上田衆の皆さんの命を賭けた戦い。

 

このアニメには細田守さんこだわりの
趣味的グッズや物語ネタがたっぷりバラまかれているような気がする。
キャーキャー賑わう物語展開の中でそれを密かに見つけることが、
この映画の愉しみ方であり、
細田さんからの番外プレゼントである。


『ニンテンドーDS』や『iPhone』の小道具には「おっ?」。
NEC製『SX-9/E』の登場にはびっくり仰天。
マツダ『RX-7』にいたっては、なんで????。
ブロードバンド衛星通信回線を確保する陸上自衛隊車両、
イカ釣り漁船?などなど、
不思議のオンパレード。


しかもこれら不思議な事件の舞台は
信州上田のいかにも日本の原風景のような場所である。
このハイテク道具とゆったり時間の流れる風景の奇妙なバランスがいい。

ついでながら、歴史ファンにも大サービスしてくれる。
信州上田はあの戦国武将真田一族の土地であり、
勇猛果敢な戦いで徳川秀忠の大軍と対峙した話が現代アニメ世界に蘇る。


野球ファンも興奮さてくれる。
佐久長聖、松商学園、と高校野球の名門校の登場させ、
現実とバーチャル世界をさらにカオス状態に巻き込む。
しかし何故上田高校なのかわからない。
白土三平の母校ではある。


ハチャメチャな賑わい方は、
マッドハウスの世界だと思った。


《線画のシンプルさは浮世絵に繋がるーサマーウズ》


しばらく観ているうちに、
何処かなつかしく穏やかな気持ちいい感覚に襲われた。
信州上田の田舎の風景や家族群像の物語がある種のノスタルジー感を出しているが、
それだけではない視覚的な要素がこのアニメ映画にシンプルな心地よさを与えている。

ああ、浮世絵の世界だぁ。
思わず感動した。
線画のみでよりシンプルに描くことで、
イメージを直接に解りやすく訴える。
人物を拡大すれば、何と 写楽 の人物画そっくり。

繊細な線で、人物や風景を描き、しかも淡くも鮮やかな色彩。
親和性を与えてくれる。
安藤広重である。

仮想空間OZに出てくるキャラマスコットは村上隆かと思われる。

絵画デザインの単純化を究めた花札が
作品中で重要なアイテムになっているのも相当効いている。
「日本的なるもの」
ボクらには解りやすく心地よい。

声優さん声や線画のシンプルさはドラえもんの平板さと共通するものがあり、
これも「日本的なるもの」のひとつでしょうか?


《山下達郎の艶のある歌声ーサマーウォーズ》

ラスト、
山下達郎の歌声が流れた時、
もう完全に時間をワープ。
ここちいい歌声。

 


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