E=MC^2(質量M X 光速C^2)は世界で最も有名な方程式である。文学者、大学生、新聞記者、八百屋のおじさん、うちのかみさん、小学生おまけに国会議員でさえ(失礼!)知っている。これはアインシュタインの特殊相対性理論から難解な数学と論理を積み重ねて出てきたものである。どうして質量と光速といったものから、エネルギーの単位が出てくるのだろうか?
これについてはアイザック・アシモフ (1920-1996)がその著「時間と宇宙について」(早川書房 1994)で詳しく説明してくれている。アシモフはロシアで生まれたが、3歳の頃にアメリカに移り、ボストン大学の生化学の教授になった。一方でSF作家として精力的に作品を発表し、科学啓蒙書も多数著した。ここではその説明を要約して紹介する。
まずニュートンの第二法則から説明は始まる。単位はすべてcgs単位である。
F = m x α (力=質量x加速度)
ここの単位は gr x (cm/sec ^2)
この単位をdyne(ダイン)と呼ぶ。
1ダインは1grの質量に1cm/sec^2の加速度を与える力の大きさである。
次に仕事という概念が必要である。これはエネルギーと等価である。
仕事(W)=力(F)x 距離 (d) で表される。すなわち抵抗力とそれに逆らって動く
距離。この単位はdyne x cmである。これをerg (エルグ)と称する。
エルグは結局、gr x (cm/sec)^2で表される。
E=MC^2の単位も同じgr x (cm/sec)^2なので、古典力学でのエルグと同じ単位となる。
メデタシメデタシ。
アインシュタインの方程式は特殊相対性理論から、難解な論理と数学を用いて導かれたものであるが、仮にこの方程式からエネルギーに対して別の単位を得ていたとしたら、アインシュタインは間違いに気づき、鉛筆を削り直してまた初めから計算をやり直したであろうとアシモフは言う。
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