名を知りて野蒜を人にをしへけり 右城暮石
ノビル(Allium macrostemon)。ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属の多年草。花序には開花後あるいは開花前から小さな球根のような珠芽(むかご)を着生し、それを散布体とする。開花前からむかごの肥大が始まり、開花がほとんど認められないこともある。むかごの散布以外にも分球でも繁殖する。食べられる山野草である。東アジアに広く分布する。日本では北海道から沖縄までの畦道や堤防上など、丈の低い草が生えているところによく自生する。古い時代に作物と共に日本へ入ってきた史前帰化植物ではないかとも言われる。万葉集にも出て来る。