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Remembrance 2006/09/06-2020/06/08  2020/07/01-

   ある日のできごと、心の呟き、よしなしごとetc

リシリヒナゲシ

2014年09月03日 | 自然
下は、2008年8月のブログの下書き。

どうしてアップしなかったのかしら。

きっと、あの時は「このリシリヒナゲシの黄色」の写真を準備する時間がなかったからだわ。


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いつの頃からか、色として一番好きなのは「黄色」。

いろんな黄色がある中で、私が好きなのは、このリシリヒナゲシの黄色。

          

利尻島でこの花を見たとき、会いたかったものに出会えたという思いがした。

先日読んだ同人誌の巻頭言に知人が「窓」についてちょっと理屈っぽいことを書いていたが、その中に、

‥前略‥
よく考えられて開けられた窓がある。窓枠は名画の額縁さながらで、額内には草木が茂り、小さな奇岩が点在している。「その樹は壮んにして、その石は痩せ、水の鳴るが如く、ともに鏘然たり。小鳥あり、赤き首に烏き翼、石上に集まり、東向す。」窓枠内には別天地が括られている。
‥後略‥

という文章があった。(ちなみにこの漢詩のような文章の出典は何?と気になったのだが、聞けば、柳宗元の散文「游黄渓記」のアレンジだそうな。)

額縁の中の別天地ということで思い描くものは、人それぞれなのだろうが、その絵画の中に自分を配するとしたら、コバルトブルーの海もブナの静謐な林もいいのだが、リシリヒナゲシやイワカガミが風に揺れる、静かな山、遙か向こうに目を転じたら山々の間を霧が流れている‥風の音、鳥の声、冷ややかな大気…、そんな絵画を私は思い浮かべる。