「貴婦人と一角獣」展に行ってきました。
このタピスリーがフランス国外に貸し出されるのは1974年のアメリカ以来で、日本では本展覧会が初公開とのこと。
こんなチャンスは二度とないでしょうから、ぜひ観なきゃ!!と思いました。
訪れたのは平日でしたので、そんなに混みあってもいなくて、じっくりと観ることができました。
「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」と「我が唯一の望み」のタピスリーです。
一角獣の角を手にしている姿、オウムに餌を与えている姿、花を編んでいる姿、オルガンを弾いている姿、鏡を持っている姿、宝石を手にしている姿、どれも美しいのですが、「味覚」の貴婦人が最も明るい表情で魅力的だと思いました。
6面のタピスリーは、千花文様(ナデシコ、スミレ、スズラン、ツルニチニチソウなど)を背景に、貴婦人と一角獣と獅子、ウサギやサル、犬、鳥、フユナラやマツ、オレンジ、セイヨウヒイラギ、バラやなどが表されています。
これが中世ヨーロッパの美の世界なのですねぇ。
こんなに大きなサイズのタピスリーを織るのは大変だったでしょう。
でも、1500年頃から500年以上存在し続けるているのですから、すごいことです。
人間はたった数十年で人生を終えて、この世から姿を消します。長く存し続ける自然や芸術はやはり偉大です。
高精細のデジタル映像もあり、細部を楽しむことができました。
タピスリーを堪能した後は、グッズ売り場へ。
マグネットと絵葉書とゴンチャロフのチョコレートを買い求めました。
千花文様に「ルリハコベ」もあることを知り、「ルリハコベ」がメールアドレスの友人に…と千花文様の絵葉書を1枚多めに買いました。
この缶が気に入って…
常々、物を増やさないでおこうと思いながらも…。チョコレートも美味しかったから、まぁいいか~。
-------------------------------------------------------------
■「フランス国立クリュニー中世美術館所蔵 貴婦人と一角獣」展
■会期:2013年7月27日(土)~10月20日(日)
■会場:国立国際美術館(大阪・中之島)
■開館時間:午前10時~午後5時(金曜日は午後7時まで) 入場は閉館の30分前まで
■休館日:月曜日(ただし8月12日(月)、9月16日(月)、9月23日(月)、10月14日(月)は開館。9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)は休館)
■お問い合わせ:国立国際美術館(06・6447・4680)
■観覧料(税込):一般1500円(1300円/1200円)、大学生1200円(1000円/900円)、高校生600円(500円/400円) ( )内は前売り/20名以上の団体料金
-------------------------------------------------------------
http://www.lady-unicorn.jp/highlight.htmlより引用
フランス国立クリュニー中世美術館の至宝《貴婦人と一角獣》は、西暦1500年頃の制作とされる6面の連作タピスリーです。19世紀の作家プロスペル・メリメやジョルジュ・サンドが言及したことで、一躍有名になりました。
千花文様(ミルフルール)が目にも鮮やかな大作のうち5面は、「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」と人間の五感を表わしていますが、残る1面「我が唯一の望み」が何を意味するかについては、“愛”“知性”“結婚”など諸説あり、いまだ謎に包まれています。
本作がフランス国外に貸し出されたのは過去にただ一度だけ、1974年のことで、アメリカのメトロポリタン美術館でした。 本展は、この中世ヨーロッパ美術の最高傑作の誉れ高い《貴婦人と一角獣》連作の6面すべてを日本で初めて公開するもので、タピスリーに描かれた貴婦人や動植物などのモティーフを、関連する彫刻、装身具、ステンドグラスなどで読みといていきます。
クリュニー中世美術館の珠玉のコレクションから厳選された約40点を通して、中世ヨーロッパに花開いた華麗で典雅な美の世界を紹介します。
本展の見どころ
1.中世ヨーロッパ美術の最高傑作《貴婦人と一角獣》が6面すべて出品されます。
2.《貴婦人と一角獣》が表わすものとは? 五感を超えた謎に迫ります。
3.全長22メートル! 迫力の6連作です。
4.人々を魅了してやまない伝説の動物・一角獣が描かれています。
5.フランスの至宝が、奇跡の初来日を果たします。
6.全出品作品が日本初公開です。
フランス国立クリュニー中世美術館
パリ・セーヌ左岸、ソルボンヌ大学に隣接したカルティエ・ラタンの一角に、15世紀末の館と古代ローマの公共浴場の遺構を利用して、1843年に創立されました。5世紀から15世紀までのヨーロッパ中世美術の傑作を数多く所有し、《貴婦人と一角獣》に代表されるタピスリーや彫刻、金細工、ステンドグラスなど、そのコレクションは23,000点以上にのぼります。
6面のタピスリーは、いずれも赤色の千花文様の地の上に、藍色の円形の島のような場を画して、貴婦人と一角獣と獅子を配置しています。 紋章を描いた旗や、両側に立つ樹木も、共通の要素です。6面のうちの5面は、それぞれの画面に登場する貴婦人たち、また動物たちの仕草や行為から、触覚、味覚、嗅覚、聴覚、視覚という人間の5つの感覚を表現したものと考えられています。ヨーロッパ中世の人たちにならって、近づかなければ得られない身体的な低次の感覚から、遠くからでも得られる精神的な高次の感覚へと、位階を昇りながらみていきましょう。
触覚/Touch 373×358cm
背すじを伸ばし堂々と立つ貴婦人が、右手で旗竿を持ちながら、左手で一角獣の角に軽く触れています。 動物が旗竿を支えていないのは、この画面だけです。 背景に描かれた猿もまた、自らの首輪の鎖に手を触れています。
味覚/Taste 377×466cm
6面のうち2番めに大きなタピスリーです。 貴婦人は侍女の捧げる器から右手でお菓子を取り、左手にとまるオウムに与えています。オウムはお菓子をついばみ、また前景にいる猿も、何かを口に入れようとしています。
嗅覚/Smell 368×322cm
貴婦人は、侍女が支える皿から花を選びながら、花冠を編んでいます。 ここにも猿は登場し、貴婦人の背後で花の香りをかいでいます。うつむいて花冠に眼をやる貴婦人は、物思いに沈んでいるようにも見えます。
聴覚/Hearing 369×290cm
もっとも縦に細長いタピスリー。 豪華な織物を掛けたテーブルの上に、小さなパイプオルガンがのっています。 貴婦人はオルガンを演奏し、侍女がふいごを操作しています。一角獣と獅子は、振り返ってオルガンの音に耳を傾けています。
視覚/Sight 312×330cm
草地の上に腰を下ろす貴婦人の膝に、一角獣が前脚をのせ、憩っています。貴婦人は、右手で鏡を支えながら、左手で一角獣のたてがみを撫でています。一角獣は、鏡に映る自らの姿に見入っています。
我が唯一の望み/Mon Seul Désir 377×473cm
6面めの、もっとも大きなタピスリーは、「我が唯一の望み」と題されています。 これは、画面中央の背後に配された、青い大きな天幕の銘文から取られています。 この言葉は何を意味しているのでしょうか。 貴婦人は、侍女が捧げ持つ小箱から、宝石を選んで身につけようとしているようにも、また逆に箱に宝石を戻しているようにも、見えます。この最後の画面が何を意味しているかについては、様々に論じられてきました。 五感を統べる第六の感覚である、心、知性、精神であるとも言われますし、銘文からは、愛や結婚といった意味が導き出されています。 宝石が象徴するものに対する貴婦人の身振りも、どちらとも解釈することができます。最後に残された大きな謎。 それは、連作の魅力をいっそう高めているのではないでしょうか。
-------------------------------------------------------------