
リニューアル再掲:川倉賽野川原地蔵堂の門前に佇む地蔵様列 (金木町2009.04.29)
地蔵尊堂裏の池の岸辺沿いに地蔵が野晒しにされている。お堂に供養地蔵を納めら
れなかった人々は、野晒地蔵に思いを籠める。天日・風雪・風雨で傷んだ手縫いの
衣装が哀しみを誘う。一帯は死者を悼む、偲ぶ、想う場所。朽ちた人々の心が甦ゑ、
消える。北津軽、賽野川原には今日も想い人を求め魂が流離う。大祭時に巡り合う。
芦野公園の池の対岸にあるのが川倉賽野川原地蔵尊。南部下北の恐山に対比される
津軽の霊場である。同じく慈覚大師が開祖とされる。恐山の山岳霊場はなるほどと
思うのだが平野部の霊場は珍しい。その昔は人をも寄せ付けぬ霊気が漂う湿地帯と
推察。恐山同様例大祭時にはイタコの口寄せで賑わうあの世とこの世の交錯の地だ。
故事:天空から燈明が降り、掘ると一体の地蔵尊が出土、安置したことから始まる。
参照#川倉賽野川原に対比する「恐山巡礼(現世・地獄・天国) 」紀行