緊急声明。この度、日本の温泉、湯治文化を代表する草津町で古くからの温泉利用法である
千代の湯と地蔵湯の『時間湯』・『湯長制度』を廃止し、無料で42℃調整の共同浴場に転換
する方向にある。草津町には共同浴場、公共の湯、民間の施設多数ある中、何故貴重な時間
湯を維持してきた千代の湯、地蔵の湯を他の施設と同様にするのか理解できない部分がある。
どんな背景があったかは問題ではない。今般、草津町当局が古来の時間湯、湯長制度の廃止
を決定した事に対し、日本の伝統的温泉文化を守る立場から以下の意見・要請を提示をする。
2019年 令和元年 8月10日 温泉地活性化研究会
一.高温泉が危険だからといって廃止するのは、温泉が生業の町にとってなんら行政努力
をしないと思われかねない。危険があるのであればその要因を突き止め、安全な利用
を図るのが本来ではないか。何もしないという姿勢を疑われないようにすべきである。
一.草津温泉を頼り、草津温泉に感謝し、草津温泉を愛するものが一人でもいたならば、
この人たちの納める浄財的入浴税等をたとえ一円でも収納している行政はこの人達が
希望する時間湯(源泉浴、湯長制)の自由を守るこそすれ奪ってはならず、奪う権利もない。
一.現在、行われている草津温泉観光名物「湯もみ」に関する様々な文化について、今般
の時間湯、湯長制度廃止に関わり、その文化を、否、草津温泉の歴史そのものを根本
から否定することにつながる。即ち、町が築きあげた温泉に関するすべてが失われる。
一.一般の観光客や、最近増加しているアジア系の観光客が時間湯の千代の湯や地蔵湯に
入れるようにという配慮がもしあるならば、それは当たらない。温泉を頼りに来る人
は時間湯、観光や興味本位は大滝乃湯、御座之湯、その他共同浴場と使い分けすべき。
一.温泉は地球の素敵な贈り物。草津町はその恩恵をこれまで享受してきた筈。今般一部
の危惧する意見をもとに、草津温泉でしか体現できない『時間湯(湯長制)』を廃止
するならば、『時間湯(湯長制)』を存続懇願する方々の地球の恵みを享受する権利を
阻害しないように、公的資産である温泉資源を供給する方策等の検討を強く要請する。
参照#日本温泉地域学会の「意見表明文」
以 上