お湯の国 日本

美しい日本の温泉地中心の旅記録(おんせん鑑定士:監修) 【記事・映像は著作権、人権保護法等により無断使用を禁じます】

吉野温泉元湯(奈良県 吉野山)

2017年09月23日 | 💙関西中国 名湯巡.

吉野山を抜けいで湯に辿り着く。山里の静かな旅館。この宿ならゆっくり書き
物もできるだろう。名文が浮かばなかったら筆を置いて湯浴みをするのも良い。

【Data】含炭酸ー食塩泉(冷鉱泉) 12.7℃ PH6.4  源泉:吉野温泉元湯

評価:源泉温度が12.7℃と冷鉱泉であるが、吉野の山里の自噴泉は景観・風致
   を考えれば名湯だ。島崎藤村ゆかりの宿として開湯300年を誇る。藤村
   が女学校の教師をしていた頃、女学生との失恋の傷を癒すため、訪れて
   「訪西行庵記」等作品を残す。 下記は其の最終節文
        『・・・やがて宿にかへりて旅燈のもとにひとり故人のふみをひもとき、月
     花を友として禽獸のそしりを免かれんと思ふのみ 明治廿六年仲春誌之・』
解説:文中の「禽獣のそしり」とは当時、女学生との恋愛感情を悔いたものな
   のか、いづれにせよ、島崎藤村は女学生との恋に破れ、教師を辞めしば
   らくこの吉野の宿に投宿し、文筆活動をしたのであった。藤村22才の春。

コメント