春の奥羽路を南下して横手に至る。横手と言えば冬の風物詩かまくらを思い起すが
季節がら街中は何処にでもある景観だ。そこで、横手公園(横手城址)を目指した。
お城は復元(他のお城を手本に)されたもので弘前城程の広さもないが、弘前出身
の文学者(当時売れっ子作家)石坂洋次郎の文学碑が一隅にあった。暫し碑文を見る。
碑文:石坂洋次郎作品「若い人」より
『小さな完成よりもあなたの孕んでいる
未完成の方がはるかに大きなものがあ
ることを忘れてはならないと思う・・・』
所感:石坂洋次郎は筆者同様弘前市の出身で弘前高校の卒業である。その点に親
しみをもつのだが、どうも作風については明るくて、かろやかで、深く沈
んでいた筆者には馴染めないものだったが、「温泉と文学」という研究テー
マを得てからは見方が変わった。そして、吉永小百合が「草を刈る乙女」
ロケで来た時に父が案内した記憶もあり徐々に作品を辿るようになった。
(注:草を刈る乙女は石坂洋次郎の青春小説を映画化、嶽温泉が出てくる)