Angela Garden

シンプルに、そしてエレガントに。試行錯誤しながらも、そんな人生を送りたい。

丸の内 明治生命館(2)

2011年11月14日 | ★ヴォーリズ&その他近代美建築(東日本)

 

 

明治生命館に入り、圧倒されるのが、1階から吹き抜けになっている天井です。



古代ギリシャの神殿のような大きな柱と、
見事なロゼットの彫りとエッグアンドダーツの文様の八角形が
ずらっ~と埋め尽くしています 



廊下の壁の装飾も、ぴったりくる言葉が見つからないほどの豪華さ

役員向けの食堂のアーチに施された、葡萄唐草。 

2階から1階への階段の窓も・・・ 

1階の床材は、イタリア北部産出の、
2億年前くらい、中世代ジュラ紀の大理石



古生代から中生代のアンモナイトの化石が、いくつか見られます
2億年前の石の上・・・なんだか、不思議な気持ち。



お客様相談センターにある、今でも現役の家具。
こんな待合の椅子にかけていたら、多少の順番待ちも苦にならなさそう~ 

1934年に完成後、まもなく終戦、明治生命館は
1945年にGHQに接収され、かなり粗雑な扱いをされたそうです。 
1956年、アメリカより、正式に返還され、復旧工事が完了。

1997年に国の重文に指定され、
2001年から、建物を積極的に活用しながら、保存をする手法に基づいてリニューアルを開始。
2004年に、美しく修復され、一般にも公開されるようになったそうです。

とても見応えのある、美しい明治生命館ですが・・・
唯一残念なこと・・・

この明治生命館が建つ前には、、「三菱二号館」が建っていたそうです。
「三菱一号館」と同じくレンガ建築の、
あのジョサイア・コンドルによる、素敵なデザインの建物。(下の模型の画像)

当時は、この建物を残して、隣に現在の明治生命館を建てる予定だったそうですが、
設計者、岡田信一郎の進言によって、この「三菱二号館」は取壊されたそう・・・
残念・・・

建築顧問として、岡田信一郎を起用した、曾禰達蔵、
曽禰達蔵は、恩師のジョサイア・コンドルの建築を取り壊さなくてはならなかったのです。

もし・・・残していてくれたら、とっても素敵な街並みが見られたことと思います。 

 

 

 

 

 

 


丸の内 明治生命館(1)

2011年11月14日 | ★ヴォーリズ&その他近代美建築(東日本)





さて・・・三菱一号館から皇居側に進むと見えてくる建築。 
様式建築の傑作と言われ、昭和の建築として初めての国の重要文化財。

1934年(S9)に完成した明治生命館。
当時の建築界重鎮、曾禰達蔵が建築顧問となり、
当時の東京芸大の教授、岡田信一郎の設計。 

岡田信一郎は、大阪の中之島の公会堂を出世作とし、
東京の鳩山会館、歌舞伎座などの建築にも深く関わっています。
歌舞伎座の建築と同じようなスタイルで、
滋賀県びわ湖の畔に、旧琵琶湖ホテルも建築しています。
(先日、出かけてきましたので、またUPします。)

が、この明治生命館の起工まもなく、病に伏し、
一緒に設計に参加していた、、実弟、岡田捷五郎が後任となり完成させました。
岡田信一郎は、明治生命館の完成を見ずに急逝しています。

様式建築の傑作と言われるように
建物の下から屋根の上まで、古典主義様式で埋め尽くされています 



今でも平日は明治生命のお客様相談センターとして使われ、
土日曜日に一般に公開されています。

見学は2階から、入るなりものすごい豪華さに圧倒されます。 
オフィスビルならではの、どっしりとした格調高い雰囲気。
壁や柱などは、イタリア産の大理石が数種使われています



会議室。 

どの部屋にもマントルピースが設置されていて、
そのデザインが、とても素敵なのですが、
機能的には、暖房、というより、空気の排気口として用いられていたそうです。
ファイヤースクリーンのようなものが、がっちり嵌めこまれています。 



役員向けの食堂配膳室。
ダムウエイターの雰囲気も、なんだかレトロで素敵。

役員向けの食堂。
三連のアーチがつらなり、アーチにも素晴らしい装飾が施されています。 

 

食堂のマントルピース。

執務室。 



優雅な装飾と、すっきりとした直線のバランスが素敵。 

 

応接室① 

こちらの応接室は、少し女性的で明治生命館の中で、
一番お気に入り 

明治生命館で使用されている家具は、ほぼ当時のものが使われています。
インテリアコーディネーターの草分け的存在と言われる、
梶田恵のデザインです。デザインだけでなく、自ら製作した家具もあるそう。 



明治生命館の設計者、岡田信一郎との緊密な連係で
各部屋の様式、スパニッシュ式、イギリス式、ルネサンス式などの
西洋古典様式を用いています。
また家具だけでなく、カーテン、絨毯などもデザインしたそうです。 

応接室② 

応接室③ 



ものすごい画像の数なので、次回に続きます・・・