だいぶ前ですが、テレビで私の好きな近代建築がテーマだった時の
ナビゲーターが、女優の菊川怜さんでした。
女優としての菊川怜さんは、あんまり好きではないと思っていたので、
あまり期待せずに見ていました。
菊川怜さんが、東大卒というのは知っていましたが、
なんと、工学部建築科の出身で、建築士2級の資格も持っていらっしゃる、
と聞いて、思わず、菊川怜さんが、どんなコメントをするのだろうと、
真剣に聞き入ってしまいました
「建築は、総合芸術だと思います~」と話されていたのを聞いて、
ものすごく、納得
日々の生活の中で、手をかけ、心を込めて、美しい味の食事を作ったり、
美しいテーブルを整えたり、そしてインテリアを整えていくことは、
生活の中の芸術だと思うのですが、
それらを、まとめる、1つの世界として表現するのは
建物、だと思っているので、菊川怜さんのコメントに、
すごくビビビッ(古っ(^^ゞ)と感じました~。
まあ、一般的な住宅にまで、美を追求するには、
先立つモノが・・・ということで、簡単ではありませんが~
万が一、宝くじに当たった時に備えて・・・?
見る目だけは、養いたいと思っております。。。
神戸の海岸通りのつづきです~
ちょっと不思議形態の建築です。が、
時々見かけますよね。
古い建築の上に新しいタイプの建築が載っています。
1918年(T7)、河合浩蔵氏の設計で、竹中工務店が施工しています。
河合浩蔵氏は、東京出身ですが、後年関西を中心に活躍しました。
私の大好きな、ジョサイア・コンドルの教え子です。
この海岸ビルディングのような、石積みのようなルネッサンス様式の建築のほか、
赤レンガ建築も、素晴らしいものを残しています。
三ノ宮の近くの花隈に、氏の設計の神戸地方裁判所庁舎があるのですが、
不思議なことに、その裁判所庁舎も、低層部の赤レンガ外壁が保存されていて、
上層部が、このようにキラキラの新しいビルになっているのです。
阪神大震災で、全壊してしまったのですが、その後、一旦撤去し、保管され、
後に同じ場所に再構築される際に、このような姿に蘇りました。
大震災という、自分のことだけで、精一杯になってしまう時に、
このように、大切な文化財を、そのまま処分してしまうのではなく、
きちんと壊れた材料を大切に、保管し、そして街づくりを再開する時に、
こうやって、蘇らせた、神戸市の誇りある考え方に、心を打たれます
この木材のドアは、竣工当時からのものを使っています
こうやって見ることが出来る、美しい景色、
見るたびに感動しています
海岸ビルディングが竣工した大正時代には、
この通りは、とても美しい近代建築が建ち並んでいて、
現在、市立博物館近くにあるオリエンタルホテルも、
この海岸通の同じ並びの6番に建っていて、
今とは似ても似つかないほど、素晴らしく壮麗な建物でした。
残念ながら、1945年の神戸空襲で消失してしまいました。
この海岸ビルディングは、旧居留地3番です。
この画像の左隣が、旧居留地の1番と2番となっています。
1、2番地には、それぞれ、ストロン商会、香港上海銀行が並んでいました。
ストロン商会の建物は、東京駅のような、赤レンガ建築、
香港上海銀行は、シャトーのような建築でした。
見てみたかったなぁ~