2001夜物語 (Vol.1) (Action comics) 価格:¥ 830(税込) 発売日:1992-12 |
以前ちょっと書きましたが、私はよく、知人に本を貸します。
その中に、上級者の本読み人、と思っている友人がいるのですが、私は彼女を自分と同じ乱読タイプだと思い込み、ごちゃごちゃなジャンルの本を押しつけていました。
そしたら、たまりかねたのでしょうね。ある日、言われたのです。
「私、ファンタジーって、ダメなんだよね」
ええええ~\(◎o◎)/!驚く私に、さらに彼女は言いました。
「SFとか、ファンタジーって、昔からダメだ」
びっくりしました。でも、冷静になってみると、別に彼女が特別ではなく、ファンタジーはともかく、SFってたいていの女性は受け入れませんね。現実的だからかしら……。
私も、十代の終わりに何冊か読んだだけですが、でも、タイトルに印象的なものが多く、“SF作家って詩人だわ”と思っていました。
『地球の緑の丘』『最後から二番目の真実』『天の光はすべて星』『人間の手がまだ触れない』『鳥の歌今は絶え』『夏への扉』『アンドロイドは電気羊の夢をみるか』……きりがない感じで、むしろ詩的じゃない方が少ないくらい。
もっとも原題を知らないので、訳者が詩人、ということもあり得ますが。
でも、そんなSF作品のタイトルが好きだったから、『世界の中心で愛を叫ぶ』というタイトルを見た時はちょっと複雑でした。
知ってる方も結構多いと思いますが、これはハーラン・エリスンの『世界の中心で愛を叫ぶけもの』から採ったものですよね。
もちろん、たしかタイトルには著作権はなかったと思うし、偶然の一致もたくさんあると思うけど。
『世界の……』の作者がつけたタイトルは『恋するソクラテス』だったかと思います。悪くないですよね。でも、『世界の……』のタイトルでこそベストセラーになったのだろうし、編集者の方の戦略も、正しかったのだと思うけれど。
でも、詩人たちがこれぞ、と思って決めたタイトルだと思うと、すこうし、複雑でした。
ちなみに、星野之宣氏のこの短編コミック集は、タイトルがすべて、SF小説からとられています。
でも、これはオマージュ、って感じなので、かえって好きでした。