3大流星群の一つ、ペルセウス座流星群が
12日の深夜から13日の未明にかけて観察できるとの情報に、
「まだ1度も見た事のない流星を、1度は見てみたい」と思い、12時前に庭に出てみた。
田舎は、大きな建物も無いので、夜空をぐるっと見渡せられる。
ネオンなどの、星の光を邪魔する広告塔も無い。
流星を観察するのには、好条件だ。
最近のスマホには便利な方位が分かるコンパスのアプリがちゃんとある。
アプリで北東を確認して、空を見上げる。
星座には興味が無いので、まったくの無知だが、Wの形のカシオペヤ座は「あれだろう!」と見当を付けた。
そのあたりから放射線に星が流れるそうだ。
目を凝らし、暗い空を見つめていると、不思議な事に星と星をつなぐ線が見えてくる。
大きな空に、悪戯書きをするように、星と星を結んで、勝手に星座を作ったりしながら、
流星を待った。
今夜も、間違いなく熱帯夜だが、夜風は意外なほど涼しい。
夜風に吹かれながら10分余り、良い気持ちだが、
上ばっかり見上げていたので首が痛い。
そのうち気分が悪くなり、諦めて家に戻った。
久しぶりに夜空を見あげて、遠い昔を思い出した。
高校を卒業して、初めて勤めた神戸の会社の寮の屋上で、
友人と二人、寝っころがって星を見ていた。
その時は、星が目当てでは無かったと思うが、日付が変わるのも気付かず、話し込んでいた。
何を話していたのだろうか?
遠い昔の記憶は、そこまで詳細に蘇っては来ないが、
冷たいコンクリートの感触と、暗い空に輝く星がきれいだったのは、覚えている。
田舎を離れて、まだ半年にもならない18歳の私は、
憧れていた都会のまぶしさと、
馴染めない都会での孤独を、胸に抱えていたような気がする。
結局、流星は見られなかった。
願い事は沢山あったが、眠気と歳には勝てなかった。
残念!