先の「終わらざる夏」に続き、同氏の大戦もの「シェエラザード」(上下巻734頁)を読みました。
物語~昭和20年4月25日午前2時16分、安全航行を保証されていた国際赤十字の徴用貨客船「弥勒丸」は、台湾沖で米潜水艦の魚雷攻撃を受け、2,300人の命と膨大な量の金塊とともに海底に沈んだ。
そして、ある日突然、台湾総統の密使と称する人物から「弥勒丸」の引き揚げ話が持ち込まれ、これを受けた者たちが次々と不審な死を遂げる・・・。
太平洋戦争末期、シンガポールから日本に向かっていた大型貨客船「阿波丸」が台湾海峡で、米国潜水艦クイーンフィッシュによって撃沈された事件をもとに構築された物語ですが、戦争とは何か、その極限世界で、人間いかに生きるべきか追求した感動巨編です。ご一読をお勧めします。