心にうつりゆくよしなしごと / 小嶋基弘建築アトリエ

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瓦の下の空気層

2013年07月01日 | 日記・エッセイ・コラム
瓦の下には、これほどの空気層が存在しています。
この空気層は空気の流れを伴い、外殻通気システムとは別に、+αのメリットをもたらします。
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N邸は起り(むくり)屋根なので、ゆるやかな曲線を描いています。
直線屋根を見慣れている感覚からすると、不思議な印象かも知れません。

空気層は、スレート葺き(コロニアル、カラーベスト等)、金属板葺き(ガルバリウム鋼板等)では構造上出来ません。両者共日射熱が直に野地面に伝わる構造。オーソドックスな1重屋根の場合、屋根下空間は相当な熱さ

N邸では『住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)』の温熱環境最高等級の屋根断熱仕様、外殻通気システムによる2重屋根構造、そして瓦の下の空気層という、【1の矢・2の矢・3の矢】による屋根面の断熱対策を施しています。(更に開口部の4の矢も有り)

2階に勾配天井の大空間を作っても、夏の炎天下、風通しだけで涼しくしていられる温熱環境の設計をしています。

『夏涼しく冬暖かい住まい』 『可能な限り、設備に頼らない住まい』、つまり【エコ住宅】設計。


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