心にうつりゆくよしなしごと / 小嶋基弘建築アトリエ

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世界の建築から① カンピドリオ広場

2006年04月09日 | 日記・エッセイ・コラム

『大工の手仕事』というタイトルでHPを作成している私ではありますが、大工もネ、”五箇条のご誓文”での”知識ヲ世界ニ求メ…”にちなんで、世界の建築を知った方が良いと思いますヨ。

私の場合、建築デザイン(何度も繰り返しますけど、何も奇抜な意匠を指して”デザイン”なのではなくて、構造もデザイン、空気の流れ方もデザインなのですよ)が本来の専攻なのですが、世間一般ではどうも”木組み=宮大工”のイメージがあるようでして、私が設計した場合、どうも”コテコテの入母屋建築”を建てられそうな印象を持たれているようです。

(私は入母屋造りは本来仏様の住まいの為の建築様式であって、人間の住まいにはよほど注意しないと、採用しない方が良いのではないか…と考えているのですけれど。)

私の表現が足りないのでしょうね。

どうも、京都の数寄町家をご体験されていらっしゃらない方からすると、パンフレット等での私の表現は具体像がイメージしにくいようです。

いつか、ブログでもご紹介したいと思いますが、京都の数寄町家の洗練さは、私が学習してきた建築のなかでも(もちろんまだまだ私も勉強途上ではありますが、決して不真面目に学習を怠ってきたということは無かったと自信を持って言えます。それは現在建てられている住宅、ハウスメーカーのものも含めて)、大変優れているものだと確信しています。

これほどまでに、土地・地域性を考慮し、空間の造形に美への昇華を込めた住まいは、例えいかなるテクノロジーを駆使出来るようになった現代に於いても、そう比肩しうるものは皆無であると思っています。

と、前置き?が大変長くなりましたけれども、”知識ヲ世界ニ求メ”まして、今回ご覧頂きたいのはイタリア・ローマにあります、カンピドリオ広場(Piazza del Campidoglio)、その夜景です。

Piazza_del_campidoglio_1

設計は”あの”ミケランジェロ・ブオナローティMichelangelo di Lodovico Buonarroti Simoni, 1475年3月6日 - 1564年2月18日)。素晴らしいですね。ちなみに英語の「Capitol」は、古代ローマの「カンピドリオ(ラテン語:Capitolinus Mons)」から由来しているそうです。

イタリアって、とっても魅力的で、大好きなんですよね。ひょっと、路地を曲がるとミケランジェロやダビンチが現代にもこうして脈々と息づいているなんて、素敵だと思いませんか?

日本のように、すぐ壊して新しいものに作り変えるような風潮では、決してイタリアのような文化先進国に追いつけないばかりか、魅力ある都市や街、建築には永遠に成り得ないでしょうね。何しろ『スクラップ&ビルド』で、住宅の平均寿命が26年なのですから。

日本も一日でも早く、住宅や町並み、都市景観を経済政策一辺倒から文化政策へとシフトしてくれることを、願って止みません。

イタリアのような文化先進国に行って見て観て体験してみて下さい。もう泣きたくなる位、感動で『フォー!』ですから(笑)  (^-^)v