岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

岩木山のコマクサ調査報告

2007-07-21 05:55:41 | Weblog
 18日、継続3年目となるコマクサの生育調査を青森県自然保護課と合同でした。保護課員は主査1人と技師1人、本会からは会長ほか事務局長、他幹事2名が参加した。
 第1回目は岩木町、県林政課からの参加もあったが、今年は「2団体」ということである。

 ★コマクサは「元気」に育ち、増えていた★

 花の数・そのほかについて:
 昨年は7個の花しかつけなかったが、今年は30個に増えていた。ただし、花の大きさは「小振り」となっている。それに比例して花柄も細く、短くなっている。

 株について:
 全体としては、1株であるが、その面積がこれまでより直径で12cm広がっている。さらに、小さいが「株立ち」が一本見られる。

 その他について:
 今年、実生から芽を出したと思われる一葉の新芽が、周囲の「礫岩」の下に多数見られ、しかも、昨年までの新しい葉芽は50以上に増えて、その場所を拡大させている。実生からの「新芽」である一葉のものは、周囲の「礫岩」の下にもっと多数あるものと思われる。

 今後どうするか:
 結論は、「現場」では出来なかった。ただ、自然生態学的には「持ち込まれたり、種がまかれて育った」ものであれば、抜いて処理をすることが「正論」であることを確認した。「抜き取り処理」については、八甲田山の「コマクサ」問題がまだ、継続中で「抜き取り処理」までいっていないので、それとの整合性も考えなければいけないだろうとの意見や考え方が提示された。
 「処理」の如何を含めて、これからの対応は自然保護課としても慎重に進めるということであるらしい。

 科学的な「冷静」な目をすてて、人間的な情感で、目の前で「美しく、かわいげ」に咲くコマクサを見ていると、「おまえには罪はないんだよね」と思えてくる。
 改めて、持ち込んで「植栽」したか、「種」を蒔いた人の軽薄でしかも「罪深い」行動をうらめしく思った。そして、そっと「このまま、自然淘汰されていく」ことを願ったりした。
 そういう感情は抱くが、本会の基本姿勢は、まず、このコマクサのDNAを調べ、どこの山のものか、国内のものか、外国産の園芸種かなどについて詳しく調べるということである。
 ついで、その「他山のもの」「外国産の園芸種」であるコマクサが今後どのような生育を岩木山で続けていくのかを、さらに年数を増やして継続調査していくことである。
 そのためには「現場」が、登山客等によって荒らされないようにすることが非常に大事になるのである。