岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

NHK弘前ギャラリー企画・写真展「岩木山の花々」・私のスタンス「写っているもの」を大切にしたい

2007-07-20 06:49:23 | Weblog
 昨日に引きつづいてお知らせ:     
     ◎NHK弘前ギャラリー企画展「岩木山の花々」写真展◎
                         撮影者:三浦章男
「あるがままに観る」という観察に徹し、あくまでも「道すがら出会う千載一遇・一期一会を大切にする」という自然観察を重視し、「登山者の視点」を保持しながら写した写真…。それは「花」と登る「山旅」である。…花を愛でながら、岩木山を自在に歩き、登ることが出来る写真展、写真を見ているうちに、あなたはいつの間にか「登山者」になっているだろう。


 日時:7月31日から8月10日(午前10時から午後5時まで)
 場所:NHK弘前ギャラリー(弘前市下白銀町、市文化センター向かい)
 展示内容:展示写真数112枚(A4 70枚・ワイド4ツ切り7枚・6切り35枚)。

   ☆ 私が「花の写真」を撮る時のスタンス(心がまえと姿勢)…☆

 私は岩木山に登ることが好きだ。春夏秋冬、岩木山に通っている。これまでの岩木山詣では千回は越えているだろう。
 花にも惹かれるが、真冬の岩木山も山頂部から山麓までとても魅力的だ。真冬、厳冬の岩木山の写真は、今年の1月にNHK弘前ギャラリーで2週間に渡って企画展として展示公開した。多くの市民が見に来てくれたし、主催者NHK弘前の話しだと、きわめて「好評」とのことだった。「お世辞や社交辞令」のニュアンスを抜いても、総じてはよかったらしい。
 その後、東奥日報紙が14日間という短期であるが、シリーズとして掲載してくれた。これも直接間接問わず、反響が大きかったようだ。
 特に、故郷「津軽」を出て、異郷の大都会で暮らして、「東奥日報」紙を購読している人、または、大都会に出て行った子供の、弘前を中心とした津軽地方一円に住んでいる親が、その子供に連載の「厳冬の岩木山」を切り抜いて送って、それを見た人などからは「懐かしさを越えて、ふるさとの山、岩木山の真の姿に触れて感激した」という内容の手紙やハガキが送られてきた。これには私も感激した。
 山とは「そこに行かなければ真実の姿には出会えない」ものだ。

 私には「植物が専門」などという仰々しいものはない。大学の卒業論文は「平安古典に見られる女子教育思想」という文系的で、高校で38年間国語を教えてきた教員に過ぎない。だから、植物的な理系とはまったく無縁。まして、山に関係のある地質・地形・気象・天体や生物学の植物・植生、動物、昆虫などとは少しも関わりのない人間である。
 このように、「植物的な専門性・知識」がまったくないので、春夏秋冬をとおして花や風景を含めて目に見えるものを「あるがままに観る」という観察に徹した。だから、写っているものは「被写体」だけとは限らない。「動き」もあるから、「ぶれ」があるのは当然である。「写す」ということよりも「写っていることやもの」そのままを大切にしたいのである。
 加えて、あくまでも「道すがら出会う千載一遇・一期一会を大切にする」という自然観察を重視する「登山者の視点」を保持するようにしてきた。だから、私は「通行人的な登山者」にはなれなかったのだ。
 その上で、私の「感性表現を構築する」という手法をとり、それを文章化してきたのである。それが陸奥新報紙に約3年半掲載された「岩木山の花々、癒しの山に安らぎを求めて」シリーズである。
 このシリーズ掲載中に、『「岩木山の花々」を見て「紙上登山」をしている。いつまでもこの登山をしたいので、これからも写真があるのなら続けてほしいし、出版してほしい。切り抜きを忘れたり、ファイルも大きくて収納が難しいので、一冊にまとめてくれると大変嬉しい。』という感想と要望を多数頂いた。
 私の「登山者の視点」で写真を撮り、文章を書いていることを読者はしっかりと理解してくれていたのである。だが、不本意ながら「出版」の要望にはいまだ応えられないでいる。とにかく、早めに、出来るだけ近い将来に発行するという「意志」があることだけは確実である。

 私は「岩木山を考える会」主催の『写真展・私の岩木山』にここ数年来出展している。また写真展と言えるかどうかははなはだ疑問だが「まねごと」みたいなものを、依頼されて、あちこちで「岩木山の花」を中心に十回近く開いている。
 その「私の岩木山」写真展で、アンケート項目に「一番興味深かった写真は何か」というのがあった。そして、答の一番多かったものが「岩木山の花」だったのである。嬉しかったことよりも、市民の岩木山の花に対する愛着の強さに感銘したものである。
 
(NHK弘前ギャラリー企画展「岩木山の花々」写真展に関することが長くなってしまったので、「岩木山のコマクサ調査」についての報告は明日にします。)