たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

宙組『エルハポンーイスパニアのサムライー』_マカロニ・ウエスタン

2020年03月30日 19時46分38秒 | 宝塚
 2019年11月30日(土)、宝塚大劇場阪急貸切公演の終演後の真風さんとキキちゃんの漫才コンビのトーク。ふたを開けてみたら、大野先生こだわりのマカロニウエスタンをキキちゃんが一心に担っていたという話。からっと明るく、シリアスな作品かと思いきや全く違和感なく観客を笑いへと誘ってくれた謎の男アレハンドロさん。最後は大団円でエリアスに慕われるアレハンドロさん。真風さんに「おいしいところを全部もっていかれた」って言わしめるキキちゃん。最後はカタリナの敵役であるドン・フェルディナンドを懲らしめるという、いかにもな展開といえば展開ですが、スペインと日本が融合する世界に溶け込んでいたマカロニ・ウエスタン。キキちゃんがこれまで積み上げてきたものに、さらにさらに努力と工夫をして創り上げた世界観。出番が多くはなかったけれどいいところで登場して、そのたびに楽しい風が吹き、舞台に安心感をくれました。真風さんの蒲田治道との男同士の友情間もなにげに沁みました。楽しかったです。大野先生、こまかい設定をしながら生徒の自由な発想に任せられる、想像の余地がうんとある作品、ありがとうございました。

(『歌劇2019年11月号』宙組座談会より)

「芹香;マカロニ・ウエスタンでしかもガンマンという役ですので、これまでの私のイメージにないものになればと思い、あのような髭と鬘で(ポスター)撮影に臨みました。私自身、台本を頂いた時にずっと「私は誰やねん」と思ったまま読み進めていって、最後はこうなるのかと、と。最終的に正体は明らかになるのですが、“謎の男”と言われるからには、登場する度に「この人何者だろう」と思わせ、お客様を惹きつけるような魅力を強く出していかなければと思います。どうにでもやりようのある役なので、今はそれを濃く見せられるよう考えていきたいです。ああいう見た目なのに甘党だった、みたいなギャップがあっても面白いなと想像しています。

大野;軽さも併せ持った役になると人間的な深みが出てくるかなと思っています。格好はもう、完全に私のマカロニ・ウエスタンの夢が詰まった姿です。ポンチョも着てるしね。

芹香;そうですね。

大野;こういった「なんだろう」と思わせながらも場を持たせられる役は、経験値が高い人だからこそ任せられるので、縦横に力を発揮していただければと思います。ガンアクションはやりたい・・・?

芹香;どうでしょう・・。

大野;撃つシーンはあるけれども、弾はみえないからね。何かに弾が当たって割れるとか。

芹香;そこが映画と違って難しいですね。

大野;この時代の銃は1発しか撃てないしね。アレハンドロが持っているものは3発撃てるんですが。

芹香;そうなんですか?!

大野;銃身ごと回して撃つやつだから・・・って説明しないと分からない。」

 大野先生、ほんとにマニアックで博識。頭が下がる思いです。











 4月7日の東京宝塚劇場星組公演のチケットも、4月12日の宙組ライブビューイングの抽選申し込みも幻になりました。体が病気になる前に心が病気になってしまいそうです。それでもジェンヌさんたちもわたしたちも無事に生き延びればまた必ず劇場で再会できると信じるしかないのだと、2017年タカラヅカスペシャルの映像をオンデマンド配信でみながら思います。『ミー&マイガール』『スカーレット・ピンパーネル』なども見ています。今はこれだけがよすが。プログラムを見返しながら思い出の引き出しをあっちこっちと開ける日々。公演中止によるチケット代だけでも億単位の損失。阪急東宝グループという大きな組織はそれでもまだ持ちこたえことができるのか。今まで観劇してきた舞台全てが奇跡でした。また観劇を楽しめる日は必ず訪れる、それまで死ぬわけにはいかないと自分に言い聞かせます。
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