たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

星組『ANOTHER WORLD』『キラールージュ』東京宝塚劇場千穐楽ライヴビューイング

2018年07月22日 21時08分01秒 | 宝塚
 しゃくねつのじごくの中、無事に映画館を往復しました。楽しかったあ、紅ワールド全開、久しぶりに笑いました。トップスター紅ゆずるさんの優しさと温かさと間の取り方とアドリブ力があふれている舞台でした。『ANOTHER WORLD』の終盤、赤鬼さんとの場面の後だったかな、紅さん演じる康次郎が一人で登場し、台詞を「あっ、間違えちゃった」って袖に引っ込んでから仕切り直しで再登場し台詞を言い直した場面があって、映画館の中も爆笑でした。引っ込むとき、「谷先生、いつもこんなことやっているわけじゃありません」って。失敗も自分のものとして客席を引き込んで笑いにかえていくアドリブ力、すごいなと思いました。トップスターのこんな場面、紅さんでなければ許されないかもしれませんね。ライブビューイングだと、上目遣いとか白目になるところなどもよくわかって、目の表情の豊かさも楽しめました。赤鬼の瀬央ゆりあさんとの場面、けっこうアドリブだったんですね。赤鬼さんも全身で役を生きて楽しんでいるようで、うしろにそって笑う時間が長くって低い姿勢から攻めてくる赤鬼さん、やりとりの間にだんだん姿勢が低くなっていって、康次郎さん「低い」「低すぎる」で膝をついてしまいここでも爆笑の渦。「ここで立ちます」って客席にもきこえるように赤鬼さんに指示を出していました。赤鬼さんが泣くと「なんであんたが泣くんや、うちがなくところやろ」って。さらに爆笑の渦でした。宝塚の舞台でこんなに笑うなんて滅多にないこと。康次郎さんの関西弁、すごく綺麗で気持ちよかったです。声色も頻繁に変えて、あれだけの台詞の量、すごいエネルギーがいると思います。ほんとにすごい。閻魔大王にお裁きを受けるとき、「お前一人だけを呼んだのに何故大勢で来た?」ってきかれた康次郎さん、冥途にきてたくさんの仲間と出会い「えらい人が好きになりまして」って言った場面、康次郎さんの人に対する温かさがすごく伝わって来て閻魔大王の汝鳥怜さん、メイクが濃いのでわかりにくいですが泣きそうになっているようにみえました。康次郎さん自身も泣いてたかな、すごくいい場面でした。康次郎さんが三途の川に飛び込んで自分の葬儀の場面に戻ってきた時、「やっぱり娑婆はええなあ、生きてりゃ、どんな苦労も乗り越えられる、いっぺん死んだ気いになってやってみなはれ」「この世は極楽」「いのちに感謝や」「ありがたや~、なんまいだ~」って、なんか沁みました。紅さんだからこその説得力。礼真琴さんの徳三郎の、女性にもてもての江戸の若旦那ぶりも、さばいて五日目の鯖にあたってころっといってしまった七海ひろきさんの喜六も、「びんぼうがみ、びんぼうがみ」って言いにくそうにのぼりの影に隠れるようにしていう華形ひかるさんの貧乏神も、その他個性的な楽しいキャラクターたちが繰り広げる、あの世とこの世を行き来する楽しい作品。紅さん率いる星組にしかできませんね。役者さんたちの個性がうまく引き出されていると思いました。こんなに人材がそろっているんだ。あっぱれな仕上がり。この千穐楽を映像化してほしいなあ。

 楽日も二回公演、一時間半の芝居にエネルギーを集中したあとに、30分の休憩をはさんで一時間のショー。タカラジェンヌの体力と気力はすごいです。ショーはやっぱりあれよあれよという間に気がついたらフィナーレでした。次々と煌びやかな場面の連続。紅さん、芝居だけで喉をかなり使っています。ショーでは力の限りをふりしぼって歌い踊っているようにみえましたが、目元すずやかな王子様は崩れないところ、さすがだと思いました。紅色の髪型が個性的で素敵でした。パパの場面は鬘のバリエーションが増えた?千穐楽は朝子どもにいたずらされた髪型でした。カーテンコールでは退団者ふたりの肩を抱いて登場されて、白鳥ゆりやさんが「さすみさんが優しすぎて」って泣いていました。「あの世にいっても冥途歌劇団に就職したい」って。とあれいやさんも泣いていました。なんかほんとに組全体にあったかい眼差しを注いでいる優しい方なんだなあと人柄に惹かれました。カーテンコールの拍手に「おぼえときや、こんなん他にないで」って関西弁で言うところも素敵でした。最後赤い大羽根背負って登場されたとき、ここまでくるのにすごい苦難の道を歩まれたんだろうなと思うとなんだか涙がでそうな気持ちになりました。

 次々と楽しい場面がくり出されて、体感5分のショー、4週間前よりも曲が少しわかったかな。ロケットの場面、桜から森山直太朗さんの桜をアレンジ、さらにもう一曲。曲の宝塚アレンジが素敵な長いロケットでした。礼真琴さん、声にすっごい艶があって歌うまにさらにみがきがかかり、ダンスが上手いのも確認、紅さんトップにこの方が二番手でいるのがすごくいい雰囲気。大階段で男役の群舞を前にヒデキの「情熱の嵐」、西城秀樹さん東京宝塚劇場公演を観劇予定だったとか。きっと天国のヒデキに届いていますよ。オープニングは妃咲愛里さんがパンツスタイルでオーケストラピットから登場、赤ずきんちゃんの場面といい、ひたすら可愛いの連続で癒されました。紅さんの隣でニコニコ、ニコニコ、笑顔が素敵すぎます。お似合いカップル。キラールージュの振り付けの場面では、「恥ずかしがらないで」って。これまた可愛く、トップ娘役らしい貫禄も。

 とまあ、まだまだいろいろときりがありませんが明日からまた一週間の海、しゃくねつじごく、これからちっそくしそうな部屋に帰ってお弁当食べながら洗濯機をまわさなければなりません。日曜日の夜だというのに店は大賑わい。チャラ坊たちに仕事のプレッシャーなど関係ありませんね。明日の朝もしゃくねつじごく、金曜日まで暑いみたいで、でも出勤しないといけないんですよね、どうなりますやら。明日のことしか考えられません。無事に眠れて無事に出勤できますように・・・。

 駆け足で忘れないうちに書きました。少し雨ふらないですかね・・・。





6月30日(土)、東京宝塚劇場にて。