たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

春のプリンス・エドワード島への旅_帰国後の日々

2017年11月06日 20時07分29秒 | プリンスエドワード島への旅
「2010年6月20日

プリンス・エドワード島から帰って一週間。
まだ少し夢の中にいるような心地だ。日本の気持ち悪さにも否が応でも同化せざるを得ない面もある。税金どっちゃり払って、年金も保険も負担が増えるばっかりだし、これからどうなっていくのだろう。〇〇才を過ぎたらどうしたらいいのだろう、と思うと右にも左にも動けないような感じになってしまう。なんだかあたたかさがない。ギスギスしている。
時々カッと熱くなってビショビショの汗がでてくるのはつらい。
なんだか二人分働いて、眼疲れて、ボロボロになって何やっているんだろう、私。
一年にたった一週間でも心の中から幸せだと思える時間があればいいか・・・。

『赤毛のアン』の原文の6月の朝の描写を読みながら、恋人たちの小径から続くトレイルを歩いた。がんばり過ぎちゃったけど、なんだか幸せな時間だったように思う。
明日からの会社はさらに辛い。Y君はいない、きついなあ、淋しいなあ・・・。
プリンス・エドワード島の穏やかで美しい風景が心の中にあればやれるだろうか。
がんばらなくていい。なんとかやっていこう・・・。」

この旅から7年が過ぎました。遠いことのようでもあり、ついこの間のことのようでもあり、こうして振り返っていると不思議な心持ちです。父も母もいなくなり、労働紛争を経て、めぐりめぐって運とタイミングで援助職のはしくれとしてあらたにスタートする機会を得ました。
きつい仕事のわりにはお金安いのつらいところですが、色々と学ぶところが多いです。
ずっと不幸だとしか思えなかった母の晩年が、比べるのはよくないですが色々な人生と出会ってみて幸せだったのではないかと気がつきました。心配してくれる、思い出してくれる、そんな人がいるだけで人生はイエスなのではないかと・・・。口には出せませんが、それだけでも新しい出会いは十分わたしにとって意味があるように思います。
来週またあらたなスタート、今年3か所目。それだけで頭くらくらしますが、全く知らないことではないので大丈夫、大丈夫。
どんなハードな出会いが待っているのか、まずは朝ちゃんと行けるかしら、ドキドキ、ドキドキ・・・。

どんな時でも前向きに生きる、曲がり角の向こうにはなにがあるかわからないけれど素晴らしいことが待っているにちがいない、きっといいことがあるって信じる、信じる心がわたしたちを幸福にする、それがモンゴメリさんが『赤毛のアン』に込めたメッセージだとは松本侑子先生のお話。

「幸せになっていいんだよ」、わたし。



春のプリンス・エドワード島への旅日記はこれで終わりです。お読みくださり、ありがとうございました。写真、見づらくって申し訳ないですが、チャンネルにまとまってきましたのでお時間とご興味あればのぞいてください。


緩やかに広がる丘の上をぐんぐんと雲が流れていく光景をみるとき、わけもなくただただ幸せでした。