たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『流れる星は生きている』

2014年09月14日 22時30分14秒 | 本あれこれ
「昭和20年8月9日、ソ連参戦の夜、満州新京の観象台官舎-。夫と引き裂かれた妻と愛児三人の、言語に絶する脱出行がここから始まった。敗戦下の悲運に耐えて生き抜いた一人の女性の、苦難と愛情の厳粛な記録。戦後空前の大ベストセラーとなり、夫・新田次郎氏に作家として立つことを決心させた、壮絶なノンフィクション。」

(藤原てい著『流れる星は生きている』1976年初版、中公文庫、裏表紙の紹介文より)


 昨日たまたま本屋さんに平積みされているのを見かけて購入、二日で読み通しました。
とてもお世話になっている方が朝鮮半島で終戦を迎えて収容所から命がけて引き上げてきた、
この本に書かれていることと同じ体験としたと話してくださったことがあり、読んでみたいと思っていました。場所は違いますが、うかがったことと本当に同じことが書かれていました。自分が今ひたむきに仕事をしているのは、幼い頃の引き上げの体験があるからだとお話くださいました。

ドラマ『遠い約束-星になった子どもたち』では、かなり描写が控えめだったと思いますが、同じことが描かれていました。満州で終戦を迎え、日本へ帰ることが叶わなかった子どもたちが、お互いを思いやりながら一生懸命に生きる姿が描かれていました。

なんだか涙が流れます。弟を栄養失調で失くしたという父の話をやたらと思い出したりしてしまいます。ちゃんと話をきいておくべきでした。
今を生きる私たちは、生かされているという謙虚な気持ちを忘れることなく、一生懸命に生きていかなければいけませんね。傲慢になってはいけません。与えられた命を生きているのだと思います。

もうすぐ妹とのお別れから21年になろうとしています。
私はもう十分に母と妹の分まで生きていた、これからは爽やかに自分を生きてください、と仰ってくださった方がいます。
これから自分にごはんを食べさせながら何ができるのか、迷い道からまだ抜け出せないでいます。すごく不安ですが、やれることがきっとある、妹が教えてくれると信じて、胸を張って言うべきことはちゃんと言って歩いていきたいです。