去年、駐上海日本領事館の電信官が自殺した時にも書いたのだが、思い込みの激しい国民性によるものか、全てを党が仕切らなければならない体制によるものか、中国の諜報戦略はどうも田舎臭い。諜報の一手段である広報においてもそれは同様で、防衛省以来「日本軍国主義復活」一色。
・日本が新型空対艦ミサイルを研究 拡張の野心は明らかだ(中文、光明日報)
http://news.xinhuanet.com/mil/2007-01/11/content_5592469.htm
タイトルの通りの内容、筆者としてはいい加減飽きてきた。
広報の技法が垢抜けないというよりは、単に自分達が気に入らないと感じた事象に脊髄反射しているだけの、子供じみた反応といえる。さもなければ、相手の言動を勘ぐり文句をつける病的な反応。
どのようにすれば、この内容の報道で自国の利益が誘導できるのか筆者には理解できないのだ。せいぜい、人民の日本に対する印象が悪くなる位。案外そのあたりが当たっているのかもしれない。
あまり勘ぐらずに、以後は「国内向け」という視点で冷静に見てみることにしよう。
ちなみに反日報道の本家、環球時報の報道
・専守防衛が焦点に(中文、環球時報)
http://news.xinhuanet.com/mil/2007-01/11/content_5590444.htm
以外に事実関係のみの報道、まあ朝日新聞を引用はしているが。この件に関しては、環球時報はあまり反日をあおらないようにしているように見える。
大体、防衛省よりも東アジアの軍事バランスに影響を与える筈のF22嘉手納配備については、次の記事しかみつからない。
・F22米国外初の配備は 日本沖縄(中文、新華社)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-01/11/content_5590540.htm
これもまた淡々と事実のみを伝える内容。「沖縄は台湾に近いので、米軍台湾海峡有事介入は必至だ」も「朝鮮半島情勢は平和的に解決されるべきで、それに反対するいかなる勢力も云々」もなし。
F22と殲10の比較も当然なし。
さて、備忘として
・人民元が上昇、初めて香港ドルの通貨価値を上回る(朝日新聞)
http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200701110027.html
・人民元が香港ドルと等価に、05年の切り上げ後初めて(日経)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070111AT2M1100Q11012007.html
等価なのか上回ったのか矛盾しているが、対ドルレートでは人民元が上回り、直接レートでは等価という事のようだ。
加熱した経済を冷やすには丁度いいのだろうが、経済は一面的なものではないのが怖いところ。
とりあえず様子見。
まあ「ジェットエンジンと空対空ミサイルを同時に自主開発できる世界で四番目の国」の通貨がいつまでも安いままじゃプライドに関わるだろう。
↑殲10自慢の総合ページ
http://news.xinhuanet.com/mil/2006-12/30/content_5550074.htm