時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

労組としての役割を放棄した電機連合

2010年02月02日 | 経済問題
電機各社の労働組合でつくる電機連合は、中央委員会を開き、統一的な賃上げは要求せず、「現行の賃金体系(定期昇給)の維持に取り組む」とする2010年の春闘方針を提案した。
賃上げ要求については、電機産業を取り巻く環境の厳しさを踏まえ、「全体で取り組むことは困難」と判断したうえ、非正規労働者の問題では、派遣・請負労働者の人数や契約条件、法令順守状況などについて労使協議を徹底する、としている。
中村正武委員長は「定期昇給の維持・確保は至上命題。経営側がその見直しを主張することは、労使の信頼関係を揺るがす問題で到底容認できない」と話したというが、結局は、資本のてのひらの上で踊らされているだけである。
経営側が、「経営が苦しい」と言えば、「はい、そうですか」と納得する。そういう構図が見え見えである。
確かに不況は厳しいが、大手企業にはまだまだ雇用を確保し、賃金の値上げに応ずる体力があるはずである。
個々の企業の実態に配慮しながらも、全体としての日本企業の体力を分析したうえで、方針を決定すべきであろう。
別の記事では、「勤労者世帯のボーナスは11%減」となったと報じられている。
昨年12月の家計調査では、世帯主の賞与を中心に臨時収入が同11.1%減と、12月としては過去最大の減少幅を示し、配偶者や他の世帯員の収入も軒並み大幅減で、賞与の落ち込みが家計全体に影を落としている、という。
こういう、勤労者世帯の実態に目を向けて、経営者の報酬や株主への配当の削減にまで踏み込んで、資本家と対決するのが、労働組合の役目である。
今回の電機労連の方針は、労働組合の自殺行為ともいうべきである。