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ケビン・フライバ-グ/ジャッキ-・フライバ-グ『破天荒-サウスウエスト航空-驚愕の経営 』

2007-07-02 00:09:21 | 人材マネジメント
サウスウエスト航空の成功はシェアにこだわらず、コストを抑えて最大限の利益をあげるビジネスモデルにある。多くの航空会社がシェアを追求して失敗しているが、元CEOのケレハーはシェアを上げることは売上を伸ばすかもしれないが、利益を上げるわけではないと考えた。サウスウエスト航空はニッチ市場(短距離路線)には合わない市場セグメントには見向きもせず、シェアではなく利益率に焦点を合わせることによって基本戦略に徹してきた。1978年の規制緩和以来、ほとんどの航空会社がハブ・アンド・スポーク方式を採用したが、サウスウエウト航空はハブ・アンド・スポーク航空方式を採らなかった。ハブ・アンド・スポーク方式ではそれぞれの地方都市から乗り継いでくる客を待つため、飛行機の地上待機時間が長くなり、稼働率が下がりコストも上がる。ゲートの準備、機内食の用意、燃料補給に要する地上要員など飛行機の地上待機時間が長くなればなるほど無駄な時間が増えコストが増えるためだ。使う飛行機はボーイング737のみ。一機種方式により訓練も単純化でき、保守部品も少なく管理しやすくなり、コストが抑えられる。それに航空機を導入する際の商談も有利になる。チケットはレジで打ち出したレシート。機内食は出さない。規制緩和以来200近い航空会社が倒産したが、サウスウエスト航空は今や全米5位の航空会社にまでなった。売上でなく利益を追求するビジネスモデルと顧客よりも従業員を大事にするという企業文化。結果的にはこの企業文化が顧客サービス重視を支え、結局顧客満足度を上げている。
サウスウエスト航空は短距離路線にこだわるビジネスモデルとコスト抑制、サービスを重視する企業文化が要因となって成功している。しかしケレハーの不屈の精神や元秘書のコリーンの社員重視の姿勢は創立期に困難を乗り越えたことがエネルギーになっているようだ。会社設立直後、航空機を飛ばすまでの何年にもわたる訴訟。ライバル航空会社によるサウスウエスト航空を破産に追いやる作戦にも初期の社員は打ち勝ち、これらの危機を乗り越えた。このときの教訓が会社を家族主義的にし、愛に満ちた職場にしているのだろう。サウスウエスト航空の現在のホームページを見るとCEOコリーン・バレットの写真がある。カリスマ経営者と呼ばれたケレハーの後を継いだのは元秘書だったこともこの会社の組織としての強さを表しているように思う。


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