
西郷隆盛の遺訓が現代語の解説で読める本。サブタイトルは、無事は有事のごとく、有事は無事のごとく。
西郷隆盛がどうして時代を超えて支持されるのかがわかるような気がする。
西郷隆盛と大久保利通の違いは、西郷がかつて僧・月照と心中して命を失いかけたこと、大久保が欧米視察に行っている間、日本にいて欧米の都市や生活を実際に見ていないことの2つが大きいように思う。
命を人に与えても良いという西郷の思い。大久保が西欧を理想としたのに対して、西郷は自らの理想の中に西欧の良いところを取り入れるというビジョンの描き方の差があるのだろう。
しかし遺訓を読むとどうして西郷が征韓論に破れて下野したのか、どうして西南戦争に参加したのかがわかるような気がする。
徳川幕府に失望して、明治維新により新政府をつくったまではよいが、かつての薩長の志士たちが西欧の贅沢な生活にふけり、手にした権力を振りかざし、旧階級を貧困に陥れている。こういう事態の推移に我慢できなかったのだろう。
私の尊敬する人は大久保利通だが、大久保にとって、親友の西郷が西南戦争で命を落としたことは、歴史の逆回転に映ったのだろうか、それともこれを機に堕落した新政府が反省することを期待したのだろうか。
そんなことも考えさせられる西郷どんの遺訓である。
西郷隆盛がどうして時代を超えて支持されるのかがわかるような気がする。
西郷隆盛と大久保利通の違いは、西郷がかつて僧・月照と心中して命を失いかけたこと、大久保が欧米視察に行っている間、日本にいて欧米の都市や生活を実際に見ていないことの2つが大きいように思う。
命を人に与えても良いという西郷の思い。大久保が西欧を理想としたのに対して、西郷は自らの理想の中に西欧の良いところを取り入れるというビジョンの描き方の差があるのだろう。
しかし遺訓を読むとどうして西郷が征韓論に破れて下野したのか、どうして西南戦争に参加したのかがわかるような気がする。
徳川幕府に失望して、明治維新により新政府をつくったまではよいが、かつての薩長の志士たちが西欧の贅沢な生活にふけり、手にした権力を振りかざし、旧階級を貧困に陥れている。こういう事態の推移に我慢できなかったのだろう。
私の尊敬する人は大久保利通だが、大久保にとって、親友の西郷が西南戦争で命を落としたことは、歴史の逆回転に映ったのだろうか、それともこれを機に堕落した新政府が反省することを期待したのだろうか。
そんなことも考えさせられる西郷どんの遺訓である。