
『善の研究』などを読むと、西田幾多郎の考え方はカントやヘーゲル、フッサールなど西洋哲学を基礎としながら、仏教や中国哲学にも影響を受けていることがわかる。哲学の本で愛が語られることなどは、8人の子どものうち5人を亡くしたことなども思想形成に影響しているように思う。
ヘーゲルにとっては、対立物が次元の高いところで統一する世界が「弁証法」なのだろう。だが、西田幾多郎にとっては、対立したものがそのままひとつのものとして成り立っているのが「矛盾」ということ。止揚する余地のあるものなど真の矛盾ではないって見方。で、「絶対矛盾的自己同一」ってことになる。
そのあたりのことが、この本でよくわかる。
ヘーゲルにとっては、対立物が次元の高いところで統一する世界が「弁証法」なのだろう。だが、西田幾多郎にとっては、対立したものがそのままひとつのものとして成り立っているのが「矛盾」ということ。止揚する余地のあるものなど真の矛盾ではないって見方。で、「絶対矛盾的自己同一」ってことになる。
そのあたりのことが、この本でよくわかる。